24 December 2017

浜辺のクリスマスディナー

Happy Christmas to you all!
毎年、この時期は締め切りに追われているような気がするけれど、
クリスマスと称して、少なくとも一日は外でのんびりしよう思う。



Dutch oven, cooking roast chicken at a beach. I tried my best to make good fire using the wood from our garden trees.  And the Dutch oven did everything else...



So here is our Christmas dinner!  

17 December 2017

第15回フィールドスケッチ会

Yesterday, we had a field sketching event on a ferry across the Tokyo Bay in order to practice drawing some flying birds. There often many gulls and black kites following the ferry as some people feed them.  Unfortunately, there were not as many birds as we expected but we made the most of the birds around there and enjoyed the opportunity.     
飛びものスケッチは苦手だ。双眼鏡で追うだけだって大変なのに、それを紙に写し取るなんて、できるわけがない! と感じつつも、上手く描けるようになったら、一番スケッチの良さが出る場面だとも思う。
そこでフィールドスケッチ会を東京湾フェリー上で開催して、フェリーについてくるカモメ類やトビを描こうという企画を作ってみた。



以前に乗った際は、本当にたくさんのカモメ類が間近を舞っていたのだが、行楽シーズンから外れていて餌を上げる乗客がいなかったせいか、鳥の数が少なかったのがちょっと残念だった。こういう企画を上手く作るのは難しい。



飛んでいる鳥を描くときは、細部にこだわらずに翼の角度と、風の向き、その鳥に働いているエネルギーを考えて線を引くんだ、とわたしが尊敬する鳥のスケッチの巨匠ジョン・バズビー氏はおっしゃっていた。フェリーから見ると、鳥が飛んでいる高さと自分の位置がほぼ同じになるので、鳥が受けている風の向きや強さを肌で感じられるところが良い気がする。



I do not think I have enough photographic memory to draw flying birds...
金谷ではトビをスケッチ。一度で描けなくても、数羽が旋回していれば、同じ角度の個体を見て、描き足すこともできる。



割と近くを飛んだ個体を双眼鏡で見ていたら、振り向くようにこちらをジロりと見てきたので、その様子を捉えたいと思ったのだが、ちょっと頭が大きくなり過ぎたかも。

11 December 2017

三浦大根

夕方の三浦海岸で、干した大根をスケッチ。向こうに見えるのは鋸山や富山。浜をミユビシギが走る。カワウの大きな編隊が南のほうへ飛んでいった。



Daikon radish hang out to dry for takuan, a sort of pickle.  

7 December 2017

谷津干潟

「谷津干潟のワイルドライフアート展」を見にいらしてくださったみなさま、どうもありがとうございました。下の2枚は展示作品から。



A print of Lesser Sandplovers that made from my sketches at Yatsuhigata in April 2016.  I carved three layers of lino, grey, orange and black and added the sea shells with rubber stamps. 



9月にクズの花にいるウラギンシジミの終齢幼虫を見つけ、束の間のペットにした。幼虫はオールドローズとでも言うべきような、美しいピンク色だった。
ある朝、起きたらクズから脱走していて大騒ぎに。1メートル以上も離れていそうなキャビネットの扉に、緑色になってくっついていた。
その後、なかなか蛹化せずに、その日はまったく仕事に手がつかなかったり。でも運良く蛹化も羽化も観察できた。何枚にも渡ったスケッチブックの絵をまとめたのが上の絵だ。



Feeding Pintails and teals.  
The Northern Pintail is one of our most common winter ducks in Tokyo area but it is getting rarer in some places for the last few years.  It is allegedly because people stopped feeding ducks at city parks. So I was surprised to see so many of them at Yatsuhigata mudflat.  



近くの川では、最近オナガガモを見かけなくなったので、何やら新鮮に感じた。



イカルチドリの冬羽。川の鳥というイメージが強かったからか、最初は何だかわからなかった。



遠くのミサゴ。

1 December 2017

Autumn Birding

ギャラリーを巡って、鳥を見るというのが、わたしにとっては一番の贅沢な休日な気がする。素敵なワイルドライフアートが見られて、普段あまり見ないような鳥が見られればなおさら。
今年の冬期閉館前の薮内正幸美術館、八ヶ岳倶楽部のギャラリーで開かれていた『花鳥輪舞Ⅲ 竹形夏野ステンドグラス作品展』を見て、ついでに鳥見もしてきた。今年は数が多いという噂のイスカの群れが見られたのがよかった。



Autumn colour and the Mountain Hawk-eagle.



For a while, it was sitting on a conifer tree on a ridge of a mountain. But it was too far to see clearly even with a good field scope. I could see its crest, though.



お昼を食べたお店の窓の横に大きなエノキの木があって、数十羽のイカルの群れがきていてにぎやかだった。窓際の席に座ったので、食べながらもチラチラと外を眺めてみたいた。
ところが、そこにハイタカか何かが突っ込んだのか、群れが一斉に飛び立ち、
その途端にドンっという大きな音が。
2羽がレストランの窓にぶつかってしまったのだった。
食べ終わって気になったので下に行ったら、一羽は即死、一羽は肩で息をしてうずくまっていて、先は長くなさそうだった。
ちょっとショックだった。せっかくお腹いっぱいになったばかりだっただろうになあ。

Poor Japanese Grosbeak that flew into the window and died unfortunately.



ヤマガラスケッチ。



身延山と七面山を詣でる人の中継地だったという赤沢宿。林道のような道を登っていくと、突然、集落に出る。




崖の上に作られたスズメバチ系の巣。ハチの古巣は、オブジェとして家に飾ってみたいものの一つなのだが、到底、母の許可が降りないものの一つでもありそうだ。

20 November 2017

囚われのガンバ

週末、薮内正幸美術館を訪ねて、ふとわたしの北海道での"ガンバのスケッチ"をアップしていないのを思い出した。
I sketched a rat caught in a Sherman Trap!  Looking at it, I couldn't help but being charmed by it.



友人宅に泊まった際、シャーマントラップで捕らえたドブネズミがいて、こんな機会はめったにないと夜中の2時近くまでスケッチさせてもらった。頭掻きポーズをちゃんと捉えたかったのだけれど、失敗。



ドブネズミではあるけれど、観察してみるとけっこう可愛い。
『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』のガンバたちはドブネズミだ。どんな生き物も、それが"主役"になれば、そいつの視点で物事を見るようになる。



ドブネズミにしては割と小さめの個体だったが、それでもかなり大きかった。
オオミズナギドリのツブリに乗るには、ドブはちょっと大きすぎやしないか、と心配になってしまった。
薮内氏の絵は、もちろんツブリとガンバのバランスを考えて描いたのだと思うけれど、本当の生物のバランスでいけば、ネズミはもっと大きくなりそうだ。

16 November 2017

LTAPオオバン賞

ジャパン・バード・フェスティバルで、わたしも参加したリトルターン・アート・プロジェクト(LTAP)が最も優れた展示や体験プログラムを行った団体に贈られるオオバン賞を受賞した!
絶滅が心配されるコアジサシを守るためには、まずは知ってもらう事から、という趣向で、森ヶ崎の水再生センターの屋上のコロニーを保護・管理しているNPO法人リトルターン・プロジェクトと野生動物を描くアーティストがコラボして立ち上げたプロジェクトだ。



The Little Tern Art Project received the Coot Award, which was given to the best exhibitor at the Japan Bird Festival.  
The project started in collaboration between NPO Little Tern Project, whose activity is to protect the rooftop colony of Little Terns in Tokyo, and Japan Wildlife Art Society.  Around twenty artists visited the special colony to observe and sketch in early June and each created one artwork of Little Tern for the exhibition.    


photo by Little Tern Project

6月3日の取材時、スケッチするわたし。そして下に掲載したスケッチが、この写真に写るスケッチブックの左の絵だ。



My sketches during the visit to the colony can be found here.
Also, you can find Mari Otaguro's sketch and Utaka Godo's sketch of the day from the link.  

ジャパン・バード・フェスティバルでの展示は、取材を元に描いた完成画の初のお披露目会となった。



This is the exhibition of the final artworks at the Japan Bird Festival.  



Middle one is my artwork created by reduction linocut.



Blog posts about this project from other artists are Tsugumi's and Mitsuru Nagashima's
12月9日にリトルターン・プロジェクトの報告会が行われ、その会場でもLTAPで作られた作品が展示されます。少し作品数も増えて、バージョンアップするとのこと。

◆◇◆ リトルターン・プロジェクト2017報告会 ◆◇◆
日時:2017年12月9日 14:00-16:30
場所:大田区民ホールアプリコ 地下展示室(JR蒲田駅 東口から徒歩約3分)
内容:
・森ヶ崎水再生センター屋上営巣地での今年の成果報告
・特別講演「カラスとの棲み分けを考える」東京大学総合研究博物館 松原始 氏
・リトルターンアートプロジェクト作品展
参加無料

 

またこのプロジェクトを企画し、とりまとめをしてくださった大田黒摩利さんが書かれたLTAPについての記事が、BIRDER12月号に載っています! プロジェクトの全体像が分かるので、読んでいただけたらと思います。

13 November 2017

2017年度 谷津干潟のワイルドライフアート展

谷津干潟自然観察センター内での一ヶ月間の展示がはじまっている。わたしの絵もこんな感じで3点並んだ。
A Wildlife art exhibition has been on at the nature centre at Yatsuhigata marsh until the 3rd of December and I am showing three paintings.   



2017年度 谷津干潟のワイルドライフアート展
12月3日(日)まで、9:00-17:00
※入館は16:30まで ※12/3は12:00まで ※月曜休館
13名の作家による谷津干潟の生物の絵、30点以上が集まった。



今回はDMのデザインをやらせていただいた。アオサギの絵は伴義之氏の色鉛筆画だ。


Photo by Ranko Matsuda



展示の様子。自然保護区で展示をすると、生物観察ついでに絵が見られ、絵を見るついでに生物観察ができる。生物は好きだけれど都内のギャラリーに足を運んだことはない、なんていう人が絵を見てくれたり、逆に知り合いの展示は見に行くけれど自然保護区は縁がなかったという人が、展示を見るついでに干潟を眺めてくれたらいいなと思う。



荷物が重すぎて、長々とは観察できなかったけれど、搬入日の3日に見たハマシギ。セイタカシギもよく見る事ができた。

10 November 2017

じょやのかね

実は11月1日にもう一冊、絵本が出た。福音館書店から単行本として刊行された『じょやのかね』だ。書店で見かけたら、お手に取っていただけたらうれしい。
クリスマスの絵本は多いけれど、お正月の絵本は意外に少ない。これからクリスマス商戦がはじまる中で、この真っ黒い異端児の絵本をどこに置くか、全国の書店ではきっと悩んでいるに違いない。
Another of my picture book published in November is "Ring the Bell on New Year's Eve" in Japanese by Fukuinkan Shoten Publishers.  It is a story of Japanese culture and my first book without a single bird.  



『じょやのかね』
とうごう なりさ さく 
福音館書店 1,200円+税
I made the illustration with vinyl tile engraving, and printed only with black ink on cream-colourd paper.  



大晦日に男の子がお父さんと夜道を歩いて、除夜の鐘をつきに行くというシンプルなお話。大晦日の晩は「古い年が終わって、新しい年がはじまる時」。わたしが小さい頃に大好きだったオペラ「森は生きている」の台詞で言えば「何が起こったって驚くことはない」時。でも、淡々といつもと同じ早さで過ぎていってしまう時でもある。
夜の光景と、日本のお正月の厳かな雰囲気を表したくて、黒一色で摺った版画にした。版に使ったのは床材のビニールタイルだ。
I made some illustrations for this story idea in 2014 but nothing came out for a long time.  I entered them to 2015 Golden Pinwheel International Illustrators Competition and they were exhibited at the Shanghai International Children's Book Fair among the artworks by 50 winners.  But the idea was still left alone for quite a while until my editor decided to publish it in spring 2016.  So I am very happy that it finally became a book!  



この絵本は、お話とイラストだけでなく、本のデザインもやらせていただいた。ジャケットは、広げると一枚絵になっている。



船橋に住んでいた小学生の頃、大晦日は毎年のように夜道を数十分歩いて、飯山満の光明寺に除夜の鐘をつきに詣でていた。過去のブログを探していたら、2007年のスケッチが見つかった。
お話を思いついたのは、留学から帰ってきた年に除夜の鐘をつきに行ったときだった。イギリスでのお正月は、クリスマス休暇の延長でしかなく、若者が飲んで騒いで終わってしまうような日だ。正月明けの5日が大学の1学期の課題の提出日だったので、三が日はのんびりするどころではなかった。
世界中に新年を祝う行事はたくさんあるけれど、カレンダーでの最初の日である1月1日に行っているところは意外と少なく、また日本のように厳かなのも少ない。

先日、絵本が出来上がったので光明寺にお礼参りに行ってきた。はじめて昼間の光で境内を見たらとても小さく感じた。まわりに闇があるだけで、大きく神秘的な場所に見えるものなんだな。



絵本の出版が決まったあと、編集者と松戸の東漸寺に取材にも行った。もちろん、大晦日にだ。



かがり火のスケッチ。これを元にタイトルページに図柄を彫った。



I had to create most of the artwork within a few months after I finished making the artworks for the "Magnificent Birds" book.  Because, of course, this book had to be published before the New Year's Eve!  



レトロでアートな雰囲気を出したくて、紙はマット紙で、とお願いしたのだが、マットな紙に真っ黒を印刷するのは難しく、紙や墨の色数を変えたりと、印刷会社の方が大変な試行錯誤を重ねてくださった。よってこんなに様々な見本ができてしまたった!
光沢のある紙ならば黒は簡単にきれいに黒く出るのだが、光ってしまうので深みがなく、工業製品っぽさが強くなる。でもマットな紙はインクを吸い込むので、なかなか黒くはならないのだ。



The book was printed beautifully on matte paper.  But before getting the rich black colour, the printing company tried on many paper with different ink pressure and so on.  

2 November 2017

Magnificent Birds

It's the PUBLICATION DAY of a gorgeous picture book "Magnificent Birds," which I illustrated and published by Walker Studio!
The Walker Books started a partnership with RSPB this year to produce several bird books and this is the second one in the line.   I am very proud of myself to get this chance to create a book with them and have completed the project like this.  

イギリスで、わたしが絵を描いた絵本が出た! "Magnificent Birds"という世界の"すごい"鳥14種を紹介した絵本で、見開きの大きな絵が15枚も入っている、何やら画集みたいな本になった。



Magnificent Birds
Walker Studio 著、Narisa Togo 絵
Walker Studio 出版 £15.00
I created all the artworks by reduction linocut and only used four or five colours  per image.  
"すごい"鳥14種には、最も速く飛べる鳥ハヤブサ、一番翼が長いワタリアホウドリ、長距離をノンストップで飛ぶオグロシギ、マイナス60度の寒さにもなる南極で繁殖するコウテイペンギン、派手な羽飾りを見せびらかせてダンスするオオフウチョウなどが入っていて、表紙は、日本人アーティストを起用したからか、タンチョウが選ばれた。



It all started last November when I received an e-mail from my editor from the hedgehog story of the Mumsnet Book, asking if I would be interested in illustrating a book of birds.  
Of course, I would!  
Although I had several works going on at that time, I had to squeeze this project in. 




The colour rough that I created by drawing loose digitally. I found that  planning these in layers in photoshop helps me when I carve lino, especially in reduction method.
すでに小さな仕事は一緒にやったことがあったとはいえ、一度しか会ったことのない編集者と、基本的にはメールのやり取りだけで仕事した。でもお互いにラフやラフの改善すべき点を画像で視覚化してやりとりしたので、かなりスムーズだった。地球のどこにいたって、一緒に仕事したいと思った人と仕事できてしまう。すごいことだと思う。



And this is how I made the image layer by layer in reduction method. There were 18 images to make and each had four or five layers of colour. That means that I must have carved and printed nearly 80 layers, although I only used one block per image.  For three entire months, I did nothing but carve and print, and carve and print, and carve and print.  



最終画を作っている最中に、プロモーションに使うから、スタジオで制作している様子の写真をだれか友達に撮ってもらって送って、と編集者に頼まれた。ス、スタジオ?! これだけ版画で制作しているなら、スタジオスペースを借りているに違いないと思われたのだろうか。わたしの"スタジオ"は部屋ですらなく、中学生の頃から変わらぬ机スペースだけ。もちろんプリントメイキング・スタジオにあるようなプレス機があるわけもなく、プラスチック板とパレットナイフとローラーとばれんと人力だけという、なんとも単純な装置なのだ・・・。とても友達を呼べる空間でもない!



This was the first colour proof.   You can perhaps imagine the taste of inside pages!

It is a very international book, not only the contents but also the process of making it.  The project started in the UK and the artworks were created in Japan and the book was printed in China. The linoleum blocks were from the UK and the linoleum cutter was from the U.S. and the baren was from Japan!

日本では、新宿南口にある洋書を扱うBooks Kinokuniyaに置いているほか、日本のアマゾンでも取り扱っているので、クリスマスプレゼントにぜひ!