ひどい風と雪混じりの雨の中、門司港レトロを観光した。横浜の赤レンガ倉庫そっくりな整備されたレトロな空間。1900年ごろに作られ、その後衰退、近年になって観光のために再開発されたという経緯も似ている。「作られた」という雰囲気がいかにも観光地!
門司へと戻る電車の中から、「本物」のレンガ造りの廃墟を見つけた。つい途中下車。
日本製粉門司工場原料倉庫跡で、1910年に造られたものらしい。ちなみに横浜赤レンガは1911年に2号館、13年に1号館が完成しており、ちょうど同じ時期のレンガ建築だ。
レンガ造りについてちょっと調べてみると、銀座煉瓦街の記述で、1872年に銀座一帯を焼いた「銀座の大火」の後、不燃化都市政策として煉瓦による再建がされたこと、その後1923年の関東大震災で倒壊したことなどがわかった。横浜開港記念館1909年、東京駅1914年、立教大1918年とその他のレンガ造りの建築年代を見ても、大火と大震災の間の一時期に集中している。秋に祖母と歩いた碓氷峠のトンネルや橋もレンガ造りだったと思い調べると、1892年に完成していた。中学の社会の自由研究みたいな課題があったら、レンガの歴史について調べるのに!
整備してきれいになった建物より、ぽつんと取り残されている廃墟のほうが、やはりレンガの盛衰の歴史を感じさせる。倒壊の恐れがあるから危ない、というのもよくわかるけれど、滅びている姿を残すことも大切な気がする。
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