29 July 2021

玄光社『絵本のいま』掲載

本日発売の『絵本のいま』(玄光社)に掲載していただいた。
My works are on 2021-22 edition of "Illustration FILE Picture Book," published by Genkosha, which is a catalogue type book showing illustrators' portfolio.
農学部を出てそのままイギリスに行ってしまい、帰ってからは主にかがく絵本を作るか、環境保護団体と仕事をしてきたので、これまで全く国内のイラストレーター業界と関わりなく過ごしてきてしまっていた。今回、何を見てか編集部から声をかけていただいたので、ちょっと一歩踏み出してみることに。

表紙と巻頭インタビューは岡田千晶さん。イラストレーター180名、文章家21名の作品が載っていて、2019年、2020年に話題になった絵本紹介、掲載作家によるこの期間の推し絵本1冊などが出ている。

20 July 2021

第23回フィールドスケッチ会

7月18日に大磯照ヶ崎でフィールドスケッチ会を開いた。(スケッチに書き込んだ日付はなぜか間違えて19日になっていた…)
公式報告はこちら
これまでアオバトスケッチ会は3回企画していたのだが尽く雨天中止になっていたので、今回の梅雨明けの快晴はうれしかった。
朝、大磯駅で参加者待ちをしていたけれど、誰も来ない! エリザベスサンダースホームの横を抜けて海岸へ向かうと、つぶやくような声でアーオ アオーというアオバトの鳴き声が聞こえた。
照ヶ崎には現地集合の参加者とヒヨ吉さんはいらしていて、しばらくして始発でも集合時間には間に合わなかったという方が合流してくださった。朝早く都心から遠い場所での開催だった割に参加者4名+主催者2名! 
防波堤の陰に入って座っていると、ちょうど良い風も海から吹いて来て、暑すぎずることもなく快適だった。炎天下に立っているカメラマンはさぞかし暑かっただろう。
We held the field sketching event on the 18th July at Terugasaki in Oiso. It's the only rocky coast among a long sandy beach facing the Sagami Bay, where flocks of White-bellied Green Pigeons come to drink sea water.
For the last few months I hadn't been able to spend much time to do field sketch of birds.  So it was very nice to sit down for a long time with a field scope and sketchbooks.  
色鉛筆は小学生の頃は愛用していたのだが、中学から完全に水彩になってしまい、それ以来あまり手をつけない画材になってしまっていた。でもチビと一緒に絵を描くときに使う機会が増えて親しんできたので、今回も数十本持っていった。家に100色はあるので、大磯のアオバトを描くことを考えて色を選んでいったのだが、黄色の色は選色を失敗したなあと思った。もっと薄い、よりオレンジ味の少ない黄色を持っていくべきだった。反省会でそのことを話したら、長年アオバトを観察、研究しているしているグループ「こまたん」の方が、今日は快晴だからね!っとおっしゃっていた。確かに天気によっても見え方が違うから、これぞという色は、似たような色でも数色持って行かなくてはだめなんだなあ。水彩の良い所は、その場で混ぜてこれと思った色が作れるところ。
アオバトは海水を飲みにきているので、飲んでいるポーズを描きたいと思ったのだが、上を向いてあたりを見回している時間のほうが長かったり、飲んでいる時は肝心の顔が下を向くので岩などに隠れて見えなかったりして難しい。
緑の色鉛筆で形をとるのは良いアイディアだった気がする。

今回は飛んでいるアオバトスケッチまではまったく手がまわらなかったので、また今度挑戦したい。

15 July 2021

Foreign Editions of my Sakura book

I am over the moon to receive the English and Korean edition of my sakura book in my hand!  Both editions are printed on matted paper and maintained the feels of the original book well! 
『さくらがさくと』の英語版と韓国語版がこの春に出ている。自分で企画し、文も絵も書いた本が、海外の出版社にも評価されたというのはとても誇らしい。

 英語版『When the Sakura Bloom』 
Text&illustration by Narisa Togo, English adaptation by Michael Sedunary. Published in 2021 by Berbay Publishing, Melbourne. 
ISBN 978-0-6489533-1-9
 
韓国語版『벚꽃이 피면』 
도고 나리사 글·그림 | 황진희 옮김 
길벗어린이(published in 2021 by Gilbut Children Publishing, Paju.)
ISBN 978-89-5582-602-9 77830
The English Version was actually the outcome from my Bologna trip back in 2019.  I showed some of the spreads from this book in my portfolio to the editor of Berbay books and the editor liked them. So I sent the entire book PDF when the book was out from the Japanese publisher. 
ボローニャに入選してブックフェアに出かけた2019年、まだ作りかけだった桜絵本から4見開きほどポートフォリオに入れて、いくつかの出版社にお見せした。このオーストラリアの出版社の編集者が葉桜のシーンがきれいだととても気に入ってくださったので、昨年本が出たときに改めて全ページのPDF、英訳とともにメールでお送りしてみたところ、なんと福音館書店宛にオファーメールをくださったのだ。 英語の絵本は簡単に各国語に訳されるけれど、別言語から英語に訳されることは珍しい。だからこんな機会をいただけてとっってもうれしかった。
色味は、英語版がちょっと白っぽく、韓国語版がちょっとピンクっぽいかもしれない。 英語版は、絵にはまったく手を入れられていないので、看板などの文字は日本語のまま。韓国語版は絵の中まで丁寧に翻訳されている。屋台のチョコバナナは、わたしの絵と同じように水色とピンクのトッピングをつけてくださっている! そして提灯の「さくらまつり」の文字までちゃんとハングルなのだ。

13 July 2021

チビの遊び

Sketches of my little one playing in the last few months. 
「いろえんぴつ かしてあげるよ! でも たべちゃいけないよ。どくだからね!」等々、わたしが言った言葉を数日後にそのままそっくり返してくることも。貸してあげる、貸してもらう、貸してくれるなどの使い方はまだめちゃくちゃ。 やっぱり難しいんだなあ。
すいぶんいろいろしゃべるようになり、「それからさ、こうしてさ、それでさ……」と一人でブツブツ言いながら遊んでいる時間が長くなった。
「ぎょーざ作ってるから、え かいててね」とか言われたりもする。
「うみ つかまえるの!」「うみ つかまえて!」バケツで海水を汲むということらしい。 
「あかいの なに?」とウメボシイソギンチャクを発見。視線が低いって違うなあ。 
We went to the sea twice during May.  She was very afraid of waves last summer but she loved it this time. She was tying to "catch" the sea water.
At a pond dipping platform, she again spent hours trying to catch tadpoles and water.
I couldn't concentrate on the sketch because I was worried that she may fall off.
I drew this piece with the liquid of Chinese Bayberries dropped on the ground. It was on the 12th June. The left image was scanned on that day and the right today (13 July). You can see how it lost its colour! 
 拾ってきたヤマモモので描いたこの絵、直後はとてもきれいだったのだが、色あせるのがとても早かった。左は直後にスキャンしたもので、右は1ヶ月後。
砂場、泥遊びが大好き。いくらでも黙々と遊んでいる。 でもまだ穴を掘ったり、山を作ったりはうまくないので、暇を持て余したわたしがよく勝手に作ってトンネルを掘っている。 でも最近は雨続きの挙げ句に暑くなり、蚊だらけで、外遊びが辛い季節になってきた。
家にいる時間は、わたしの真似をしてひたすら"ハクセキレイの絵本"を作っている。
「"さいごの ねぼすけも とびたった"って描いているところ!」
ちゃんとわたしの絵本と同じ言葉が書いてあるシーンを作っているらしい。
昨夏からはじまった鍋に何でもかんでも入れてかき混ぜるままごとは今も継続中。でも盛りつけが上手になり、色別にお皿にのせたりするようになった。

4 July 2021

春の自然観察

I have been too busy to sketch wildlife properly the last few months but I watched some memorable wildlife scenes this season.
Long-talied Tit fledgelings and the plums. 
This spring, I was lucky enough to see a pair of Long-tailed Tits breeds near my place. The first nest we found was under construction. A pair was bringing nest materials. I was so happy to see it and also so afraid of it to be found by crows and Taiwan Squirrels that are so many around here. Since those predators could find a nest by watching me looking at the nest intensely, I tried to observe it as I walked pass it. I couldn't find a place to hide so I didn't sketch it.  But the nest was unfortunately blown away by a storm one night. 
 
Then a local friend told me that there is another nest, possibly by the same pair. It was on a tree right above a narrow road!  The eggs were already hatched and parents were bringing food. To my surprise, that pair often came together and searched for food in my apartment shrubbery! I was quite sure of it because from my window, I could almost follow the pair fly toward the nesting tree.
I also spotted a helper bird, as it lacked some tail feathers and could be easily identified from the parent birds that were always moving about as a pair. 
The chicks fledged safely one early morning. My friend counted eight of them.
この春は、エナガが家の近くに巣を作ったので、ちょこっと繁殖行動を観察することができた。その後中村登流著の『エナガの群れ社会』を読んでお勉強。断片でも生活の様子を垣間見れた後に、その鳥の生態をしっかり勉強できるのはうれしい。いつも2羽連れ立ってうちのマンションの植え込みに来るので、両親それぞれが勝手に違う所で餌とりをして、それぞれに巣へと戻るのではないらしいと気付いたけれど、本当にエナガ夫婦は常に行動を伴にすると知った。 大嵐で壊れた巣は落ちてきたらよく見てみたいと思って、その後何度も確認に行ったのに、いつのまにか形があやふやになっていた。巣を作り直す際には、古巣から巣材を抜き取って使うらしいので、きっとそれで無くなっちゃったんだと分かった。
シロバナハンショウヅル (Clematis williamsii) 
I sketched two beautiful wild clematis species this spring!
Clematis patens  
1パックのオムツを買うと中に2種類の模様が入っているのだが、チビはなぜか風車柄が好きで、凧柄は履きたがらないのでそればかり余り、数ヶ月苦労した。本人はずっと風車ではなくて花だと信じていて、冬頃にようやくこれは風でクルクルまわるものなのだと理解した。その矢先の5月、カザグルマの花を見に連れ出す夫……。
ヤママユの幼虫
I also spent some evening hours sitting outside with my little one and drew the pink sky.
Evening on summer solstice. I miss living at high latitude, where the summer days are really really long. Here, I don't feel it's mid-summer apart from the fact it's hot. At least I sat outside with my little one to watch the sunset and enjoyed the last hour of a slightly-long day.
夏至の夕暮れ
そして6月末の大事件は、うちのエアコンの室外機にスズメが巣材を持ってきはじめたこと。 住宅難なのは知っているし、イラストレーターとしてその生態を家から眺めるチャンスには飛びつきたいところだったけれど、これから卵を順に産み、孵すのに2週間、雛が巣立つのに2週間……。間違っても、室外機のファンに巻き込んで殺したりはしたくないし、稼働して巣内が異様に暑くなったりするのも怖い。8月までエアコンが使えない可能性があるとさすがにチビもいるのに人間のほうが耐えられないかもしれないと思い、ごめんなさいと思いながらお引越しをお願いした。あと巣を作り始めるのがひと月早ければ大歓迎したのになあ。来年は使ってくれそうな巣箱をかけてみようかなあ。
In the end of June a pair of sparrows started to bring grasses into the exterior unit of our air conditioner. I wanted to welcome them but then I was afraid of not being able to use the air conditioner on hot days in early July and August. So I had to ask the pair to move.  If only they started in May...!