21 February 2020

チビ1歳半になる

チビは毎日、変わっていくのに、最近ぜんぜんスケッチできていない。気付けば一歳半のハーフバースデイもとうに過ぎてしまった。
少しずつ日本語らしい言葉も発するようになった。言える言葉はママでもパパでもなくて、「はぷっ(ほっぺ)」、「みんみんみ(耳)」、「ちち(あつい)」、「ねんね」、「はっぱ」、「ダイクン(大根)」など。「ちち」に関しては、スプーンで口に入ってくる食べたくない物全般を意味するような気がしなくもない。言葉の定義をどうやって覚えていくのか、想像するだけでおもしろい。



クリスマスにもらった『あおのじかん』、かなり大きな本なのに、抱えて読んでいる。対象年齢はもっとずっと上の絵本なのだと思うけれど、家に溢れている生き物柄と「同じ」生物が出てくるので気に入ったみたい。
雑誌やカタログなどを眺めるのも好き。
機嫌がよければ、ひたすら一人で勝手に眺めてくれるけれど、ちょっとダメになると、こちらが何をしていようと絵本を「うー!」っと差し出してきて、読んであげるまで引き下がらない。絵本だと、仕方ないか、これも仕事のリサーチの一環だ、読んであげるかと思ってしまうわたしを完全に見抜いているのかも。



This sketch was going well but she suddenly noticed me drawing and came to grab my pencil and drew on the page... nooooooo!
正面からのスケッチがあまりないのは、わたしが描いているとみるや否や、やっていることを全て放り出して、わたしの方に来てしまうから。



This one is from Decemeber at a small museum.



In the last few months, she suddenly became able to do so many things.
The first thing I got surprised by was back in December, when she could peel a clementine and eat it all by herself.   




For the first several attempts, she was orange all over her but soon she became able to eat it without damaging her clothes so much.  



My friend kindly sent me bird magnets made by Kruu Gung, Thai school teacher of a birding club.   I put them on our fridge for the moment and my little one loves them!  At first her favorite was the Banded Kingfisher because I told her that it is a kind of Kingfisher, the same as her stuffed toy.
But now she learned Hoopoe from the magnet and started to look for the bird on BIRDER magazine.  

どうやらまだ生物や物の写真や絵を見て、これとこれは似ている、同じだと自分で識別するのはあまり上手くないらしい。大人が、「これもカワセミだね。カワセミさん(ぬいぐるみ)と同じだね」というのを耳で聞いて、このBIRDERのこのページのこの写真の鳥は、ぬいぐるみと「同じ」カワセミだという風に覚えていっているらしい。だから、なぜかチビは「クマ」と「クイナ」がごっちゃになっていて、「それはクマだね」というと、必ず薮内正幸氏の「日本のクイナ」ポスターを指差すのだ。



うさぎっていうのは身長計についているやつ! ひーばあちゃんが教えてくれたもん。



子育て支援センターには少し慣れて来て、わたしから離れてそこのスタッフやボランティアの方と遊ぶ瞬間もでてきたけれど、まだ知らない場所も知らない人も苦手。
夜の寝かしつけなど、夫や母では嫌、わたしでないダメっということも出て来た。どうしても平日にやっている人が、休日もやらなくてはいけなくなる。わたしのやり方が、世間一般から見てどんなに変だったとしても、チビにとってはそれが「いつも」で「いつも通り」であってほしいわけだ。

8 February 2020

さくらがさくと

もうすぐ春!ということで、わたしの新作、桜の絵本が2月10日に出る。
さくらがさくと
とうごうなりさ さく
福音館書店 1,400円+税
It's been a very mild winter here in Japan. I've already seen several spring flowers and blossoms. So it isn't too early to celebrate Sakura!  
Here is my latest book called "When the Sakura Bloom" by Fukuinkan Shoten Publishers.   It’s a story of a street with a row of sakura trees and passers-by during the Sakura season.  



3月半ばから4月半ばの一ヶ月間、桜の並木道で繰り広げられる、自然と人間のささやかなドラマに焦点を当てたお話だ。

この絵本企画が通った後で、編集者からいただいた俵万智の『風の組曲』の一章、「さくらさくらさくら」に「毎年、桜の花の季節が終わると、一つの夢から覚めたような気分になる」とある。わたしが桜に感じたのもまさにその一瞬の魔法のような時間だった。
俵万智が初めて詠んだという桜の歌がまた良い。
「さくらさくらさくら咲き初め咲き終わりなにもなかったような公園」



留学中から桜の絵本は作ってみたいと思っていたので、帰国してからは、まずは当てもなくお花見をしてはスケッチしていた。
生き物好きとしては、ヤマザクラやオオシマザクラなど野生の桜を描きたいと、はじめはもちろん思っていた。でも2016年の春、桜の下で大宴会をしている人たちを見てつい描きたくなり、このブログ投稿のスケッチした。
普段は自然になど興味も無さそうな人たちが、まがいなりにも"自然観察"のイベントをしている。日本は花鳥風月を愛でる文化と言いつつ、現代の一般的な日本人が唯一、そして盛大に愛でているのは桜かもしれないと思ったら、ソメイヨシノの存在にも興味が湧いた。
しかも世界を見回しても、日本の桜前線のように、毎年その時期になると国中がニュースでひとつの生き物について話題にするなんていうのは、あまり無いような気がする。



The front and the back cover are connected as one scene through different season. 



This is my first book that I didn't make illustrations with printmaking method.  Instead I used watercolour spattering technique.  I masked the white blossoms and spatter pigments with screen and brush to create flat background.   
網とブラシを使ったスパッタリング法で描いた。



夜な夜なこんな小さな紙の桜の花を切ったり並べたりしていたので、夫は帰ってきて机を覗き込んでは「何そんな面倒なことやっているの! もっと簡単にさーっとちゃーっとできる技法で描けないの?!」と言っていた。



These are the tiny little paper cut blossoms and petals.  For the rain, I used grass stems!  

育児と平行して原画を作るのはやっぱり大変だった。スパッタリングの作業は一気に終わらせる必要があり、途中でやめにくいので、ベビーシッターがいる時間にしかできない。長時間チビを見てくれた母、夫、それに祖母がいてこそ出来上がった絵本だった。

この絵本の関連イベントがいくつかありますので、ご紹介します。
● ミニトーク&サイン会
日時:2020年2月24日(月・祝) 
15:00〜 とうごうなりさによる読み聞かせ&ミニトーク
15:30〜 サイン会
場所:リブロ東戸塚店 店内
参加方法:『さくらがさくと』お買い上げでご希望の方に、レジにて整理券配布
お電話での予約も可(申し込み:リブロ東戸塚店 045-828-2444)


このメインの取材地は弘明寺の大岡川沿いの桜並木。ちょうどその弘明寺の川沿いにある絵本屋さん、子どもの本& クーベルチップで色々なイベントをさせていただくことになっている。横浜周辺の方はぜひいらしてください。

 ● 『さくらがさくと』原画展
日時:2020年3月12日(木)〜4月12日(日)※月火水定休 ※木〜土曜は11:00-18:00、日曜は12:00-17:00
場所:子どもの本& クーベルチップ(横浜市南区大岡2-1-17、横浜市営地下鉄(ブルーライン)弘明寺駅から徒歩3分、京急弘明寺駅から徒歩7分

● トークイベント:絵本『さくらがさくと』ができるまで
制作過程や裏話をお話させていただきます。
日時:2020年3月15日(日) 新型コロナウイルスの影響で、中止なりました。
14:00-15:30 トーク後に会場で絵本販売とサイン会をします。
場所:横浜市南図書館 2階会議室(横浜市南区弘明寺町265-1、京急線弘明寺駅から徒歩3分)
参加費:1000円
対象:小学生以上
定員:30人(申し込みは子どもの本& クーベルチップまで。tel: 045-334-8702 e-mail: kooberutcip0825☆gmail.com ※☆を@に置き換えてご送信ください) 

● ワークショップ:スパッタリングで桜を描こう
絵本と同じ技法で桜を描いてみます。
日時:2020年3月28日(土) 14:00-16:00 新型コロナウイルスの影響で、中止なりました。
場所:子どもの本& クーベルチップ(横浜市南区大岡2-1-17、横浜市営地下鉄(ブルーライン)弘明寺駅から徒歩3分、京急弘明寺駅から徒歩7分
参加費:1200円(材料、道具代込み)
対象:小学生以上
定員:10人(申し込みは子どもの本& クーベルチップまで。tel: 045-334-8702 e-mail: kooberutcip0825☆gmail.com ※☆を@に置き換えてご送信ください) 


また、昨年個展をさせていた西宮のギャラリーアライの公募展「花咲く頃展」でも原画1点と関連した小作品の展示、サイン本の販売をさせていただきます。
● 花咲く頃展
30名の作家による春や花をモチーフにした作品が集まる展示です。
日時:2020年4月2日(木)〜7日(火) 11:00-18:00(最終日は17:00まで)
場所:ギャラリーアライ(西宮市甲子園六番町14-20)



イベントに合わせて、絵本原画からポストカードも作りました。