30 April 2023

ママ

祖母が逝ってしまった。 
My grandma passed away on the 25th April at the age of 87 after a month of being hospitalised.  Until mid March, she came to our place to look after my little one and cook lunch every Tuesday and Wednesday.  But she got pneumonia and became ill so bad so quickly.  

祖母とは言っても、わたしにとってはママだった。 
母はわたしが小さいころは勤めていて忙しく、朝家を出ていって夜中に帰ってくる、"ときどきおもちゃを作ったり買ったりしてくれる人"だったから、代わりに祖母がいつもそこにいた"ママ"だった。 
小さかった頃のわたしは、自治会だ、集金だ、買い物だ、リコーダーのレッスンだと、ママがどこへ行くにも連れ回され、団地のあちこちの棟を登ったり降りたりさせられていた気がする。
ピアノもママに習った。いつも学校の宿題なんていいから、ピアノのお稽古しなさいっとピアノの部屋に入れられて、嫌いだったから、その下にある絵本を読んでいた。でもその絵本だって、たかね子ども文庫を主催していて、絵本が好きだったママが長年集めた「こどものとも」などだった。わたしが生まれた頃に発売された、林明子さんの絵本や、14ひきシリーズ、レオレオニのシリーズもママが買ってくれた。
わたしが都内で絵の展示をすると必ず見に行ってくれたし、イギリスに留学したときは、食料をいっぱい詰めた箱を送ってくれたり、伯母と2人で遊びにきてくれた。
ついこの前『じょやのかね』がミュンヘン国際児童図書館に飾られることが決まったときは、購読していた岩波の『図書』からめざとくその児童図書館についての記事を見つけ出し、「これ、ティンちゃんの絵本が飾られるっていう図書館についての記事でしょう」と持ってきてくれた。

 

チビが生まれたときは、誰よりも喜んでくれて、毎週、船橋から電車を乗り継いで、チビの面倒を見にきてくれた。沐浴やオシメ替えなどまでしてくれたし、わたしがちょっとでも仕事ができるようにと、ベビーカーに乗せて散歩にいったり、2人だけで近くの公園に行ったりまで、していた。幼稚園入園前は毎週月曜日、入園後は毎週水曜日がヒーバーご飯の日で、チビが好きなこんにゃくの煮物とかうずらの卵とかをいつも作ってくれていた。
ママからわたしのアドレスに送られてくるメールは、いつの間にかすべてチビ宛て。幼稚園行事の日付まで確実に把握していて、遠足の日となると「遠足はちゃんといけたかな?」みたいなメールが入ってきた。

本当についこの前の3月中旬まで。

3月15日もいつも通りで、母が上田旅行中だったので、「今日はえりかがおいしいおやつを持ってこないだろうから」、「普段買わないから、どこにあるだろうとスーパーでずいぶん探しちゃった」っと言いながら、ママがホットケーキミックスを持ってきてくれて、チビと2人で焼いてくれた。

でもその翌週、風邪をこじらせたのか肺炎になり、近所の人が心配して入院させてくれたと、寝耳に水の連絡が入った。歩いて面会室に来れるくらいだというので、2週間くらいで退院できるに違いないと家族みんな思っていたのに、数週間経ったときには肺の状態が入院時よりも悪いと言われ、あれよという間に余命3日宣告をされてしまった。
Little one's last drawing of her great-gran at the hospital.  
わたしもチビを連れて駆けつけた。
病院は、本当は12歳以下は面会禁止だったけれど、面倒を見たひ孫たちということで、いとこの子2人も合わせて3人とも、最後だからと特別にこっそり部屋に入れてもらった。
チビは、髪の毛ボサボサでゼーゼー息をする、見慣れぬヒーバーの姿にぎょっとしてしまっていたけれど、「ヒーバーの絵、描く!」と言い出し、指に挟んだパルスオキシメーターや、絆創膏だらけの点滴の差し込み口などまで、真剣に観察して描いていた。ヒーバーも、息が苦しくてあまり話はできなかったけれど、チビの最新の絵などを見る事ができた。
そしてそれが、わたしたちが会えた最後だった。 

1961年に高根台団地に越してから、62年に渡り高根台に住み続け、まだ現役で自治会の活動などをしていた人だったので、葬儀は地域でお世話になった人たちも呼んでお別れ会をした。いとこと2人で夜なべして作った、ママの思い出写真の動画を上映したり、電子ピアノを持ち込んで伯母の伴奏でみんなで歌ったり、ママらしいお別れ会になったと思う。わたしも久しぶりにリコーダーサークルの人たちや、幼稚園の先生にまでお会いできて、これもママが交友関係をとても大事に生きてきたからだなあと思った。 

とても近しいヒーバーだったので、4歳児がどうやって"死"を認識するか、ちょっと心配だったのだけれど、最後にお見舞いに行ってからは「ヒーバー、今どうしているの? どんな感じなの? 見たい、今の写真ないの?」っと聞き続け、何が起きているのかを真剣に知ろうとしていた。葬儀の日もチビは至って冷静に好奇心旺盛で、お棺の中の顔に触って「ヒーバー冷たいね。なんで?」 手紙と天国で使えるお金と電車の切符なども作って、棺に入れていた。そして、焼かれて出てきた骨の中に、人とわかる顔面の部分を見つけると「絵を描く!」っと観察をはじめた。外科の家に生まれ、病院の手伝いをしていたママの血を確かに受け継いでいる気がした。 

なんとなくまだ現実でないような気がして、なんとなく火曜日の15時過ぎになったら、ピンポーンってインターホンが鳴って、ママがやってきそうな気がする。いつもなかなか来ないと、どこかで倒れているのではと心配するわたしをよそに、呑気に「近くの農園でモロヘイヤを買っていた」などという人だったから。
家の中にも、まだあちこちに、ママが毎週来てくれていた痕跡がある。古いカーテンを使って作ってくれた洋服ダンスの前にかける布とか、テーブルの上を整理するためにと勝手に100均で買ってきた籠とか、ママが植え替えてくれたパンジーとか、ママが繕ってくれた布団とかチビの服とか。いつも我が家にやってきては、頼んでもいない仕事を見つけ出しては、せっせとあちこち磨いたり、繕ったりしてくれている人だった。いつもごめんごめんっと言いながら、そんなママみたいに完璧な家事はできないんだってばって思っていた。でもそうやってママがそっといろんな家事や育児をやってくれていたから、伯母も母もわたしも、子育てしながら時間が膨大にかかる好きなフリーランスの仕事を始められ、続けられたのだと思う。 

最後まで"ママ"をしていたママ、本当にありがとう。

10 April 2023

第27回フィールドスケッチ会

We had a field sketch day at Misato Park on the 8th April and drew the colony of Great Cormorants. 
4月8日にみさと公園でフィールドスケッチ会を行った。公式報告はこちら
前日に天気予報を見ると、午前中は曇りだけれど午後からの降水確率は50%。中止にすべきかずいぶん悩んだけれど、午前は雨に降られないだろうと見込んで開催した。
集合場所に行ってみたら青空。
2019年4月13日に同じ場所でスケッチ会をしたときはまだ桜が咲いていたのだけれど、今年は完全に八重桜の季節になっていた。コロニーの木も葉を展開していて、タブの新芽がとてもきれいだったので、新緑の中の巣を描きたいと思った。
This nest had a young and it was begging food to the parents.  The young tried to peck parent's bill but mum/dad always looked the other way as if they didn't notice.  But from time to time mum/dad agreed on feeding.  I wanted to capture the feeding posture but  it was too hard!    
コロニーの水面近くの枝にゴイサギが3羽長いこと止まっていてくれたので、のんびり描くことができた。
時折、コロニー上空をオオタカやハイタカが飛んだ。
Scratching its head.
みさと公園内の草地にツグミが9羽も降りていたので、コロニーが見える位置へと移動する途中で描いた。この冬、近所で全然ツグミをしっかり見れなかったのでうれしい。
Nine Dusky Thrushes were feeding at a field of dandelion.
ダイサギ 
川ではヒドリガモ、オオバン、アオサギなどが肉眼距離で見られてスケッチしやすかった。
Wigeons, coots and a cormorant swimming in the river, drawn by little one. 
今回もチビ連れ。朝6時起き、7時出発での参加だったので着いた頃には眠いかなと心配したけれど、夫がつきっきりでチビの助手をしてくれたので、けっこう機嫌よく色々描いてくれた。 
巣にいるカワウとヒナ。
巣材の枝をくわえて飛ぶカワウ。
Black-crowned Night Heron by little one. 
ゴイサギ。一度見て、パッと描いてしまうのはすごい。だんだんと鳥はこう描くと完全に自分の中で決めてしまっているところもあり、時々「足は何色? くちばしは長い?短い?」等々聞いてあげると、よく観察してくれる。ゴイサギは「三番瀬かるた」に「猫背だね」と出てくるので、猫背の鳥として覚えていた。

11時過ぎから急に曇り、風が強くなって寒くなった。でも幸い雨は降らず13時過ぎに少しパラパラきたのでお披露目会にしたけれど、傘はささずに家まで帰ることができた。

6 April 2023

式根島

The next day on the Shikinejima island was very sunny and it was rather hot.  We hiked all day along the trails on the west coast.  
島での二日目は快晴。お弁当を買い、朝から西側の遊歩道という名のトレイルを南の浜津城から隈の井を通り神引展望台まで、丸一日使って歩いた。チビも元気に全部歩き通した。
御釜湾第三展望台から。
At every view point, little one wanted to draw the scenery. With the sun above us, the sea was really really blue. 
I always struggle to paint the scenery of beautiful blue sea and green laurel forest combination.  It feels that the painting needs some breathing space when I apply two colours next to each other.  So I just left some part blank... 
View of the Kouzu island and an osprey. 
御釜湾第二展望台から神津島をのぞむ。ミサゴが飛んでいた。
式根島は照葉樹林で鳥が見つけにくいだけでなく、野猫が多いせいなのか、鳥が驚いて飛び立ってしまうことが多い印象で、双眼鏡でじっくり眺めた鳥はとてもわずかだった気がする。 
メジロ、シジュウカラ、ハシブトガラス、集落内でスズメとカワラヒワはよく見かけた。キジがさんざんケーンケーンと鳴いていた。 

2017年に神津島を訪れた際のブログを見返したら「ヤマガラも普通種。シジュウカラもムクドリもハシボソガラスもいない」と書いていた。
式根島では、シジュウカラはとってもたくさん見かけたけれど、ヤマガラは早朝散歩で数羽見ただけだった。すぐ隣の島なのにこうも違うのは、神津島のほうが標高が高い部分が多いから?! なんでだろう。
鳥自体は見えにくいものの、歩いていると羽はけっこう拾えて、カラスバト、トラツグミ(猛禽による食痕)、ツグミ、大型ツグミ類の尾羽を見つけ、チビは大喜びだった。
最近『キュリオシティ ぼくは、火星にいる』(マーカス・モートン著/松田素子訳)を読んで気に入った(難しい本なので半分くらいしかわかってはいないと思うが)チビは、隈の井という噴火物が平らに堆積していて、水が溜まることもある場所で、ひたすらマーズローバーごっこをしていた。
「ボクハ イマ カセイニ イルンダ。ボクハ キュリオシティ」
We recently read "Curiosity: The Story of Mars Rover" by Markus Motum so little one was pretending to be a Mars Rover at Kumanoi, a flat area where a pond appears after heavy rain.

開けたところに出ると、ちょっと鳥が見つけやすい。ホオジロ、モズ、ハヤブサを確認。ツバメが1羽飛んでいた。 
小笠原諸島〜伊豆諸島 ツバメの渡り調査をされている重原美智子さんによれば、この4月1日の記録は、今のところ今年式根島で最も早いツバメの記録だったらしい。鳥を見ている人が少ないせいもあるとは思うが、4月3日には島民からも観察記録が寄せられたとのことだったので、渡り真っ最中、島に立ち寄る第一陣のツバメを見られたわけだ。
マーズローバー、流紋岩をスケッチ中。
チビが描きたがったので、一緒に隣で描いたトベラの花。

島にはシチトウスミレ(タチツボの島嶼変異型)とアツバスミレ(スミレの海岸型)らしい葉っぱが厚くて、ちょっと光沢があるスミレがあちこちで咲き乱れていた。 3月にこんにゃく座のオペラ「森は生きている」を見て、マルシャーク版の『12の月たち』だけでなく、マツユキソウの代わりにスミレが出てくるスロバキア民謡版の絵本『12のつきおくりもの』も読んでいたので、チビは「森は生きているみたいだね。式根島はさ、スミレの島だねえ」と素敵なことを言っていた。
石白川海水浴場でハマエンドウ(Beach Pea)

 石白川海水浴場と釜の下海岸で拾った貝と漂着種子。けっこう特徴的なのに、まだ調べがついていないものがたくさんある。ヒメヤクシマダカラっぽい幼貝があった。

3日目の早朝、一人で鳥見に行ってきても良いと夫が言ってくれたので、朝ご飯前に散歩してきた。チビと一緒でなくても、鳥がわたしに気づくのが本当に早くて、なかなか双眼鏡で見られない。それでも大型ツグミ(どうやらシロハラらしい)が朗々と囀るのが聞けて、前日は見つけられなかったオレンジ色の亜種ナミエヤマガラを数個体眺め、カラスバトが飛ぶのを肉眼で確認することができてうれしかった。
島内で見た種は、スズメ、カワラヒワ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、ツグミ、シロハラ(大型ツグミの気配はたくさんあるのだけど、見る度にシロハラ)、 カラスバト、ヤマガラ、キジ、モズ、ヒレンジャク(十数羽)、ツバメ、ハヤブサ、ミサゴ、トビ、クロサギ、ウミネコ、羽取得でトラツグミを確認、というところだった。
食べられる野草が大好きなチビが、宿の夕ご飯に出てきた明日葉やツワブキをよろこで食べ、宿の庭の草木をいろいろ見分けてみせたので、宿のおじさんが東要寺のナギの葉っぱを見せてくれた。
Salvia Maru Ferry drawn by my little one. 
帰りの船では、ありがたいことに全く船酔いしなかったチビが甲板でさるびあ丸を描いている間、大人は必死で海鳥を探したけれど、大島を出て少ししたところでクロアシアホウドリを見たくらいだった。 新島に入港したとたんに、島のハシブトガラスが甲板に何かご馳走は落ちていないかと確認しにやってきたのがおもしろかった。

5 April 2023

寝姿山と下田港

We had a little trip to Shimoda and ferry across to Shikinejima island for little one's spring break.  
地元の駅から見れる一番かっこいい電車、サフィール踊り子号。1日に数本しか通らないから見られるだけでもプレミア感があり、チビは一昨年くらいから「サフィールに乗りたい」と言い続けていた。去年の七夕の願いも「サフィールにのれますように」。 
そこまで言うならと春休み旅行はサフィールに乗ろう!っと決め、どうせ乗るならと切符発売日に10時打ちなるものをして個室を予約した。
電車が大好きなくせに、大きな音となるとバイクも風も雷も、自転車の鍵を外すガチャンという音ですらも怖いチビは、レトロな鈍行列車はキーキー言うから怖いらしい。その点、豪華列車のサフィールはとってもスムーズで静かで大喜びだった。
電車の個室だなんて、ホグワーツ・エクスプレスみたい。
親としては金のかかる趣味なのは困るけど……。
At Shimoda, we took the ropeway up to Mt. Nesugatayama.  All the hills were in white, pale pink, light green and yellowy green with sakura and new leaves. 
It was nice for me to see new leaves and flowers of laurel forest trees because I've been working on a project to draw those trees.  
ロープウェイで寝姿山へ。「ねえ、ロープ切れちゃったら、どうするの?」
アコウなど普段あまり見ない植物が植栽されていて、絵を描きたがる。
親は遊歩道を出た先の自然植生の山道のほうが好き。リュウキュウサンショウクイやヒレンジャク21羽以上を見た。木で遮られてよく見えなかったのだが、ヒレンジャクは何かの猛禽類が突っ込んできて一斉に飛び立ってしまった。この春、家の近所でもヒレンジャクを2箇所で4回くらい観察する機会があり、そのうち2回もレンジャクの群れにハイタカが突っ込むところを見た。レンジャク類、確かにおいしそうに太っているしなあとか、つい考えてしまう。
We took a wrong route down the mountain and came out rather far from the Shimoda station and the local bus was not running because of the school break. But little one walked along the bay for extra 30 min with no problem and ate massive dinner and was still up for drawing fruits and leaves she picked up on the way at the hotel.  
The next morning, we took the Azeria maru ferry across to Shikinejima island. 
うちが出かけ先を選ぶときは、チビがやりたいことを絶対に一つは入れ、親が行きたい・やりたいことの中でチビが生理的に不快(寒い、眠い、お腹が空いた)に感じる時間ができる限り少なくて、チビが一緒でも楽しめそうな場所、大人が勝手に夢中になりすぎない場所を検討している。 今回は"サフィール踊り子に乗る"が第一目的。下田で何しようといろいろ見ていたら、夫が島に行きたいよね、となった。式根島を選んだのは、チビの足で歩き回って楽しめるサイズだから。下田発のフェリーは行きが夜行でないので、はじめから子どもの睡眠リズムが崩れないのがいい。 
Little one's sketch of Azeria Maru ferry. 
これまでも小さな草花、鳥単体などは上手に描いていたけれど、だんだん風景画のような大きなものを描けるようになってきた。
Mt. Nesugatayama from Shimoda port. 
We watched Streaked shearwaters, Black-footed albatrosses, Japanese murrelets and Pomarine skuas from the ferry.
水深の深いところをあまり通らない航路だったせいなのか、あまり鳥は見られなかったけれど 利島の周辺ではオオミズナギドリ、カンムリウミスズメがたくさん、クロアシアホウドリ3羽、トウゾクカモメ3羽(スプーンもしっかり!)が見られた。