ずいぶん長いことブログでは紹介し損ねていたのだが、去年の秋にこれまでで一番大きな版画を摺った。それもイヌワシ!
自然保護協会からのお仕事で、赤谷の森でイヌワシが7年ぶりに誕生したことを記念した、イヌワシの実物大ポップの原画を作らせていただいた。
昨年秋に『ダーウィンが来た! ~イヌワシを守れ!子育て支援大作戦!~』でも紹介された赤谷プロジェクトだ。また赤谷のイヌワシについては、イヌワシタイムズという素敵なホームページがあるので、ぜひ見てみてください。
I made the original artwork for the life-sized Golden Eagle panel for The Nature Conservation Society of Japan. This panel was made to celebrate the eagle's successful nesting at Akaya forest for the first time in seven years.
The Golden Eagle is very rare in Japan because most of the wild places here are forests and there are few open grassland for the large eagle to hunt. So the society has been cutting the planted conifer trees to make a clear land in the Akaya forest. I hope this panel attracts people's attention to the eagle and this Akaya project to protect them!
(写真はNACS-J提供)
原画はリノリウム版画のリダクション法で作成した。イヌワシの翼開張は約2メートル。さすがに実物大にはせず、約2分の1サイズで作ったのだが、それでも狭いうちの中では大変だった。失敗も考慮して摺った5枚分を乾かす為には、昼間は床の上、夜は机やテーブルの上へとつねに移動させる羽目に。
I made it mostly by three-layer reduction linocut and added the yellow for the eyes and foots with stencil. (The reason why the colour of the paper is so different is that I had to work long hours and only managed to take some photos at night under artificial light.)
これだけ大きな版を扱うのも、わたしの狭い机の上では難しかったので、実は版は左右の翼と胴体と3分割にしている。まず最初の版では、クリーム色でイヌワシの翼と尾羽を、オレンジで胴体を摺り、次に同じ版をクリームのまま残したいところのみを彫ってしまってグレー版を作り、最後にグレーを残したい所を彫ってしまい焦げ茶版を作った。足と目の黄色はステンシルによる差し色だ。
(写真はNACS-J提供)
この写真は、実物大ポップが初めてお披露目された11月末のイヌワシパーティーでのもの。わたしもこのとき初めて出来上がりを見たのだが、やはり翼を広げて2メートルという大きさは、たくさんの人々の中にあっても存在感がある。そして広げた広さの割に、身体は小さく、だから飛べるんだなぁと改めて思った。
原画作成にあたり、先崎啓究氏、小田谷嘉弥氏には、資料をいただいたり、ラフへのご指摘をいただいたり、大変お世話になりました。困った時に聞ける専門家の友人がいるのは、本当にありがたい。どうもありがとうございました。
いつか国内でもイヌワシ見てみたいなあ!
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