14 July 2025

ツマグロヒョウモンの羽化

We found an Indian fritillary caterpillar the other day and let it emerge in our house. 
6月のこと、近所を歩いていたら、道路から勝手に生えている園芸移出の枯れかけスミレに、ツマグロヒョウモンの幼虫を発見。
「わー! うちで羽化させたいけど、餌がなあ」というわたしに、カブカが思い出させてくれたのは、幼稚園からもらってきたスミレの鉢植え。冬中ずっと花を咲かせ続けてくれてたものの、引っ越してから面倒見きれなくて、悲惨な状態にあったやつ。 餌にしちゃった! チョウを育てる……これもスミレの楽しみ方だよね?! 捕獲後すぐに脱皮して終齢幼虫になった。
The colour of the chrysalis went darker on the night before it emerged. So the next morning, I woke up at 5 and kept an eye on it. It eventually came out at 7:46.
6月29日、フィールドスケッチ会に行くという忙しい朝に羽化。前夜から蛹の色が変わっていたので、わたしは朝5時くらいから眠い目で監視し続けていたのに、羽化を始めたのは7:46。8時半には家を出なくてはいけなかったけど、カブカもわたしも絵がかけた。学校がある日でなかったのは幸いかも。

4 July 2025

第34回フィールドスケッチ会

We had a field sketch day at Moegino park in Yokohama.  We had fun watching a moorhen family but it was very very hot!  So we had to escape to a cafe for the share and comment time.     
日曜日、もえぎ野公園でフィールドスケッチ会を開催した。ヒヨ吉さんが書いてくださった公式記録はこちら
描くものはたくさんあって楽しかったけれど、とにかく暑かった!
熱中症が心配でもあったので、短めにお昼くらいで切り上げ、ファミレスに移動してお披露目会にした。
午前中だと睡蓮が咲いていてきれいだった。でもこの時期は夕方開催もありだなあとも思った。
ときおりすみっこに出てくるヒナ。

お披露目会後にもう一度見に行ったら、なんとヒナが6羽も出てきた。スケッチ会中に見たヒナ1羽は一回り大きかった気もするので、もしかして2ペアいるのだろうか。
『はばたけ!バンのおにいちゃん』(出版ワークス)はここで取材して描いた本。おにいちゃんが面倒を見るチビたちと同じくらいのヒナたちに出会えてうれしい。
カブカのスケッチも。

ハンゲショウも咲いていた。

14 June 2025

エナガのくらし、産経児童文化出版賞の産経新聞賞

I attended the Sankei Shimbun's children's book award ceremony yesterday, because the photo picture book about Long-tailed Tits, which I wrote the text, got selected within the nine books!! Pic2 and 3 are with Yoshiteru Eguchi, the photographer, and Joe Takano, the editor of the book.

わたしが文章を書いた写真絵本『いつも仲間といっしょ エナガのくらし』が 第72回 産経児童出版文化賞の産経新聞賞を受賞しました!!
『いつも仲間といっしょ エナガのくらし』
(命のつながり シリーズ7)
 東郷なりさ作、江口欣照 写真、高野丈 編集 
文一総合出版
6月12日に贈賞式に参加してきた。とってもフォーマルな式で、なんだか緊張した。 紀子さまの臨席を賜り、受賞作それぞれに対するお言葉をいただいたり、直接お話する機会も少しあったのでなおさら。  
写真は写真家の江口欣照さん (右)と担当編集の高野丈さんと。大変お世話になりました。
大賞の『ひき石と24丁のとうふ』の大西暢夫さんのスピーチもとてもよかった。基本はイラスト絵本を作っているわたしにとって、絵本にするつもりはなくて20年撮り溜めていた写真がふとしたきっかけから絵本になるというプロセスは新鮮だった。でもある意味では、とりあえずスケッチし続けるというのも同じようなものなのかな。 

 バスが好きだったカブカと何度も読んだ『路線バスしゅっぱつ!』の鎌田歩さん(受賞作は『巨石運搬!海をこえて大阪城へ』)や、世界で大活躍中のケンブリッジ・スクール・オブ・アートの同窓生が作った『まぼろしの巨大くらげをさがして』の訳者さんにもお会いできたし、そのほかたくさんの初めましての絵本作家や絵本編集者、そして選者のみなさんとお話できて楽しかった。 

みなさんからの講評によれば、江口さんのかわいいエナガの写真は、「かわいい」には惑わされないぞと思っていらっしゃる選者さんをもつい魅了してしまった模様〜 シマエナガ人気の中で、エナガの絵本だったのもよかったようだ。これは文一総合出版ならではかな。わたしが子どもの視点、子どもに伝わる言葉を絵本に持ち込めたのかなと思っている。

10 June 2025

マンション子ども会のスケッチ会

東戸塚にあるマンション群、パークヒルズの子ども会に呼んでいただき、パークヒルズ内を散策して草木を観察したあと、採ってきたものをみんなでスケッチするという「おさんぽ おえかきの会」をした。 
I was asked to lead a walk and a sketch event in an apartment community near our place.   

 わたしが小学生の頃、住んでいた団地に高森登志夫さんが来てくださって、団地に生えている木の種類や見分け方を教えてくれたことがあり、それがわたしが身に周りの植物に興味を持つようになった一つのきっかけになった。だからこうして、子どもたちが自分の住むマンションの草木を見て絵を描くというイベントに呼んでくださってとてもうれしかった。
幼稚園から持って帰ってきた新玉ねぎを、娘と一緒に描いたスケッチですよーと見せているところ。
モミジのプロペラを落として、くるくる回るところを眺める。
ドクダミやクスノキの匂いをかいだり、カタバミで10円玉を綺麗にする話をしたり、四葉のクローバーを探したりして歩きながら、それぞれが描きたい植物を摘んだ。

パークヒルズは、近所で類を見ないほど、敷地内の公園が素敵なマンション。植栽も豊かだし、噴水から小川も流れていて、夏には子どもたちがみんな中に入ってジャブジャブ遊んでいる。
住民による子ども会や、緑の会があるのもすごいなあ。

今回は植木の管理をしている緑の会の方のご協力も得て、特別にアジサイやホタルブクロ、ビョウヤナギなどの花も切ってもらえることになった。
子どもにとって、採ってはいけない、ただ見るだけにしておきなさい、という花はなかなか興味を持ちにくい存在だと感じる。だから、きれいな花を手に採れる、ちぎったり匂いをかいだり好きにして良いというのは貴重な機会だったのではないかと思う。
みんなそれぞれ、真剣に描いていた。
各テーブルを回って、観察ポイントや描き方、塗り方をちょこっとアドバイス。
完成画を作るのではないから、文字で気になったことや思いついたこと、わかったことを書き込んでいくのもいい。
幼稚園の友達も数人参加していたので、カブカも参加者の一人として混ぜてもらった。

28 May 2025

ノムとノマの のいちごつみ

初めて書いたフィクション作品が福音館書店の「こどものとも年中向け」7月号、『ノムとノマの のいちごつみ』として刊行される。 
店頭には6月4日頃から約ひと月置かれ、その後は取り寄せとなる。

"Nom and Noma's Wild Berry Picking" is my new book published as the July issue of Kodomo-no-tomo (nenchu) by Fukuinkan Shoten Publishers. "
こどものとも年中向け 2025年7月号 
福音館書店 税込460円
ノムとノマの のいちごつみ』 とうごうなりさ さく
これは里山に棲むこびとたちのお話。コナラの木の根元を家にしている。森で採れるもの、拾えるものを食べて暮らしているふたりは、夏のはじめのある朝、ナワシロイチゴを摘みに出かける。

わたしの絵本づくりは、自然の中を歩き、お話の種を見つけることからはじまる。まずは本物をよく観察して、スケッチしながらお話や絵を作っていく。そんなことをトークイベントでお話したら、「フィクションで想像上の生き物を描くという場合はどうされるのですか?」と聞かれたことがある。
この絵本の始まりもやっぱり森歩きで、公園の池でカブカと笹舟を作って流してみたのがきっかけだった。カブカがこんな小さかった頃! 記念すべき3歳の誕生日。
「笹舟に乗るくらい小さな人たちがいたらいいなあ」と思い、そんなことを考えながら歩いていると、その小さな人たちの家になりそうな場所や、小さな人たちが座れそうなキノコ、食べ物になりそうな木の実や草の実が見つかった。
この人たちは、どんな暮らしをしているのだろう。どんなふうに日常の用具を手にいれるのだろう。
生き物の絵本なら、その生物について調べる。小人だったら、伝説として伝わる小人や妖精、その環境で暮らす近縁種ー人間ーの暮らしを参考にする。生態から見た目の特徴も考える。
そうやって想像した、森で拾えるもので作った、ノムノマの家。
全国に同種が住んでいて、細々とした交易はしているから、貝殻のお皿も持っている。
大きさの感覚をつかむためには、このくらいと思ったサイズで人形も作ってみた。ノムとノマの視点で森が見れる。
お話の中では、ナワシロイチゴは湖の島に生えているけれど、実際にはあちこちで見られるのいちごだ。以前に住んでいたマンションと隣の敷地の間にも生えていた。
5月にピンク色の花を咲かせ、
6月から7月にかけて、のいちごが実る。

お話の都合上、最後にさらりとしか出てこない、ジャム作り。 でもその一言を書くためには、ちゃんと実験もしている。こどもにとってその世界が信じられるかどうかは、わたしはけっこう大事な要素だと思うから。
本ができあがってから、カブカにノマちゃんをしてもらった。大きさは違うけど、自分が作り上げた世界を、こうして目の前にできて、とってもうれしかった!
絵本を読んだ子どもたちが、ノムとノマの気配を探して、または自分がノムとノマになったつもりで、森を歩き、笹舟を作り、カヌーを漕ぎ、のいちごを摘んでくれたらとてもうれしい。


服は母がクチナシで黄色に染めて作ってくれた。レギンスは、実は100均の洗濯ネット、カゴは夫が持ってたゴミ箱で代用!

地域の自然を守るタオル・サギ類とキタミソウ

太平電機株式会社の地域の自然を守るタオルの新作ができました。
コサギとダイサギはもうずいぶん前から栃木県立博物館、道の駅いちかいなど栃木県内で販売されています。そしてキタミソウがこの5月末から埼玉で新たに販売開始となりました。詳しい販売店については地域の自然を守るタオルのサイトをご覧ください。
New variety of the Towel to protect Nature are released, Little Egret, Great Egret and Water Mudwort. It was a headache to make the decorative feathers of egrets but I think they went well! 

もうひとつ、ブログで書き損ねていたお仕事紹介。 
5月12日発売の『婦人之友』の座談会企画で、鳥の巣研究家の鈴木まもるさん、シジュウカラ語の研究者の鈴木俊貴さんと鳥の魅力や野鳥観察についてお話させていただきました。 当日は鈴木まもるさんがスーツケースいっぱいに各国の珍しい鳥の巣を持ってきてくださって盛り上がりました。鈴木俊貴さんはちょっとした話題にも過去研究の事例を引き合いにいろいろ教えてくださって、おもしろかったです。
I talked about birds and birdwatching together with Mamoru Suzuki (Nestologist) and Toshitaka Suzuki (doctor in animal linguistics) and it was featured in the June issue of Fujinnotomo. 
昔、祖母は婦人之友を購読していた時期があったらしいので、わたしが載ったと知ったら、喜んだだろうなあ。 機会があったらご覧ください。