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すっかり森が緑になって、調査に忙しくなってきた。最近、研究室にいると誰かしらが植物の同定に頭を悩ませている。
葉の裏面の葉脈上に毛があると・・・
無毛だと・・・
葉先が尖るのは、尖らないのは・・・
植物の種の違いはなんとも微妙だ。図鑑の識別点をたどっても、解説にある毛の量や生え方なんて、個体による差も大きいし基準もわからない。
どうやら、わかる人にはその植物種らしい"雰囲気"が見えるらしい。「うまく説明はできないけれど、オトコヨウゾメの葉は端整な感じ」などとと言われる。そういう印象が実は大切なようだ。
ただその超人(?)の域に達するまでは、地道に毛の有無や鋸歯の形の確認をしながら識別し、"種の印象"を自分の中で作り上げていくしかないのだろうか。