14 November 2021

飛べないハトを見つけた日から

イラストを担当した児童書の見本が届いた。
『飛べないハトを見つけた日から』
クリス・ダレーシー 作 相良倫子 訳 東郷なりさ 絵
徳間書店 
2021年11月20日発売 1,760円(税込)

I made the cover and some inside illustrations for the Japanese translated version of a British children's book, "Fly, Cherokee, Fly" written by Chris d'Lacey, translated by Michiko Sagara, published by Tokuma shoten.  
I got the job because the story is about the pigeons, a kind of birds, and set in England.  But I didn't know anything about homing pigeons. So I  had to read a lot and learn about their rings, shed, pigeon trap door and how the pigeon racing clock works. 


サッカーをしに行った公園でうずくまるレース鳩を見つけた男の子ダリルのお話だ。
もう飛べないその鳩を飼うことになったことがきっかけで、鳩や鳩レースの世界を学び、学校の勉強に励むようになり、いじめも乗り越えていく、少年の成長の物語。
I made the pictures by monoprintting, drawing on the back of the paper placed on a inked surface.
依頼されたイラストのほとんどは鳩だったのだが、表紙などいくつか建物も描く必要があった。そんなとき、イギリスに住んでいた経験や知識が多少なりとも役に立った。
イギリスの家は地方によって産出する石が異なるので色が違う。有名なところでは、コッツウォルズの黄色い家々だろうか。石が取れないところでは煉瓦になる。この絵本はレスターの近郊にある街が舞台で、調べてみると煉瓦作りのようだったので、そんな建物を描くことにした。
今回、平らにのばしたインクの上に紙を乗せて紙の裏から描くというモノプリント技法でイラストを作ったのだが、表紙の建物だけはマットに塗りたかったので厚紙を切って簡易の版にした。少し前に買った画集に、こんな風に絵柄に合わせてリノリウムをカットしてそれぞれにインクを付け、摺る際にもう一度組み合わせて多色を同時に摺っている工程写真が載っていたので試してみた。建物のように単純な線ならお手軽な方法で、多色摺りするストレスが少なくなり良かった。
とても素敵な装丁にしていただいてうれしい。ジャケットをめくった本体の表紙がかっこ良い!

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