18 January 2020

ジョン・グールド展とリトグラフ

I visited the Tamagawa Academy & University to see the special exhibition of John Gould's birds books and to join the lithography workshop. The academy owns a very good collection of John Gould's books.

I learned that John Gould himself didn't actually draw all the paintings but his wife, Elizabeth Gould and other artists like Henry Constantine Richter did.  Elizabeth Gould is whom the Ms. Gould's Sunbird, a bird I've seen in Northern Thailand, is named after!  

玉川大学教育博物館の特別展「ジョン・グールドの鳥類図譜」を見に行き、ワークショップ「リトグラフで鳥の絵に挑戦」に参加してきた。

展示は、玉川学園と山階鳥類研究所が所蔵する44巻の鳥類図譜を、それぞれどこか1ページを開いて見せてくれている。本だから、めくらない限り他の図版が見られないのは、仕方ないことだけれど、もどかしい。
でも本のページといえど、リトグラフで印刷された線画に手で彩色しているので、どれも原画だ。ハチドリ類は金属光沢を表現するために、金彩を施した上に絵の具に透明なオイルとニスを混ぜ合わせたものを塗っているという。複製にはどうしても出ない光沢が見て取れた。

また博物画についての解説もおもしろかった。ジョン・グールドの鳥類図譜と一口に言うけれど、ジョン・グールド本人はあまり画才はなかったため、監督のような立場でこの鳥をこういうポーズでこんな感じにとラフまでを作り、実際に1枚1枚の絵は、奥さんのエリザベス・グールドや工房の画家リヒターなどが描いたのだと知った。

実は偶然にも先日、知人から豪華本『ジョン・グールド 世界の鳥』を譲っていただき、本も鳥も大好きなチビと二人でずいぶん眺めている。アジアの鳥やイギリスの鳥など、よく知った種の絵を見ると、やはり資料の少ない昔ながらのその鳥らしくなさがどうしても気になったりするけれど、絵としての描き方や構図の良さには非常に惹かれる。全ての鳥が右向け右というような図鑑絵ではなくて、生態を絶妙に合わせたところが本当に素敵だ。



Peregrine Falcon I made during the lithography workshop.  
I had been long wanting to try lithography but hadn't have a chance.  So it was a really good opportunity to see how this technique works.  And it was free of charge!  
ワークショップは町田の版画工房カワラボの方が来て、描画、製版、印刷の行程を教えてくださった。リトグラフは、何度説明を受けても、どういう仕組みでできるのか、いまいち理解できていなかったので、実際に体験できて良かった。



リトグラフ(石版画)と名前がついているが、版に使うのは石に限らず、金属板でもできる。今回使ったのはアルミ版だ。油性のものであれば何でも描画できるそうだが、今回使ったのは油性色鉛筆。
油性でなければ、製版に影響しないので、下絵を複写したり、当たりの線を描いたりした上から描けるのは良い!



今回は時間が短かったので、製版は版画工房の方がやってくださった。
各種の粉で描画部分を補強させたあと、水にしか溶けない樹脂であるアラビアゴムを塗る。すると描画していないところが酸化して、親水性になる。



灯油で描画した画材を洗い流して、代りにエゲンラッカーを塗り、描画部分を均等にして安定させる。灯油で流しても、描画していないところは、水以外には溶けないアラビアゴムで保護された状態だ。



水をつけながら油性のリトグラフ用インクを乗せると、油性の描画部分にはインクが乗るが、アラビアゴムを敷いた親水性の部分はインクを弾くのでつかない。
それをプレス機で刷る。



一人3枚刷らせてもらった。回を重ねるごとに、ちょっと濃く印刷できた。
左下は版。

色鉛筆で描いたそのままのタッチが本当によく再現できる。
でも逆に再現性が良すぎて鉛筆画のデジタルコピーとそう変わりないので、今の時代にこの技法を作品に取り入れるには、何かこの良さを上手く活かしたものでないと意味がない気がする。鉛筆以外の画材のタッチや、多色刷りを、いつかやってみたいものだ。

展示もワークショップも、なんと無料だった!
本当に良い体験をさせていただいた。

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