17 September 2016

安田と喜如嘉

今回はアート旅でもあった。
那覇についてすぐに首里にある城間びんがた工房を訪れた。傾斜地にあり、屋根にのった黄色い看板はよく見えるのに、どうやってそこまでたどり着けばよいのか、わからずぐるぐるしてしまった。
ステンシルで作品を作ると紅型みたいと言われることもあり、紅型の技法と図案は前からとても興味があった。しかも自然モチーフの作品がたくさんある。
『琉球布紀行』(澤地久枝著)には、城間栄喜氏に師事した藤村玲子氏が、さがり花をデザイン化するために夕闇に花が咲く瞬間を見ようと何年も通ったエピソードが出ていた。
絵でも図柄でも、本物の生物を見て作者が独自に図案にしたものと、誰かが作った既成の生物のイメージをアレンジしたものとは、何かが違う気がする。だから生き物好きとしては、古典柄よりも、沖縄の風物を取り入れて作られた最近の柄のほうが好きだったりする。



The first night we stayed in Ada, a village on the east coast of Yambaru. In front of our accommodation was a river with black mangrove and kingfishes and common sandpipers were flying along. 

At Ada village, we met Ichiro Kikuta, an artist who paint birds and plants on Byobu or screens, with Japanese black ink.

When I was looking for information about the area, I happened to find his website and immediately fell in love with his works.  So I contacted him and he kindly invited us to his studio and showed us lots of his works —— nature of Yambaru in the world of monochrome.  They were so beautiful.  
He is a keen birdwatcher, too, and often does field sketches.  It was great to see files of his sketches as well.



安田の夜。うしかい座とりゅう座を背景に佇むリュウキュウアオバズク。



夜中、宿近くの木の上がバサバサと騒がしいと思ったら、オリイオオコウモリだった。電線にも、ずらりとぶらさがっている!
We watched this Ryukyu fruit bats, too, using a torch light. I had no idea about the anatomy of the bat so it was very difficult to get the sense of its pose.



This is the fruits, Common garcinia, which the bat was eating. 
オリイオオコウモリが食べていたフクギの実。マンゴスチンの仲間と出て来たけれど、ちょっと腐りかけのものは、むしろドリアンみたいな匂いがした。
あちこちの集落にフクギは植えられていた。風害や塩害に強くて耐火性もあるので屋敷林として重宝するようだ。
染色に使うのもこの木。葉や小枝でも染められるようだが、本格的に染料を取るには、樹齢200年近い木の樹皮が良いという。『琉球布紀行』によれば、城間栄喜氏が沖縄戦後の再起の一歩として首里に紅型工房を構えたときにまず行ったのが、各地から樹齢の高いえりすぐりのフクギの実を集め、木を植えることだったという。



Striated heron
ササゴイが真剣にえさ取り。でも見ていた間にくちばしを突っ込んだ2度とも失敗だった。



カワセミが何羽も飛び交っていた。



西海岸の喜如嘉にも立ち寄った。水田では、セイタカシギやタカブシギ、クサシギ、ヒバリシギ、アマサギなどに加えて、実は国内では初めてシロハラクイナを見た。ヤンバルクイナをよく観察した後に見ると、一回り小さいのがよくわかり、そして顔つきのせいか、よりマヌケそうに見える。やっぱりかわいい。

芭蕉布会館も立ち寄った。糸芭蕉から取れる繊維で織った布、芭蕉布の作品展示と作業場が見られる。織りの制限の中で描かれた図案化されたセミやトンボ模様がおもしろい。フクギで染めた黄色いショールもあった。

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