自然の摂理の中で生きている姿を、できる限り邪魔しないようにそっと見させてもらうのが好き。双眼鏡で眺め、夫は写真を撮り、わたしはスケッチしていることが多い。
でも4歳児には、ただ愛でるという考え方、遊び方は高度すぎる。やっぱり目の前、手元で見たい、捕まえたい、触ってみたい。そして、それができないものについては興味を持たないし、覚えもしない。
植物はこれまで、実など落ちてるものは、少し拾って持ち帰ってよい、花も雑草レベルなら採ってもよいと言って、自由に剥いたりちぎったりさせたので、いつの間にか道端に落ちている種だけを見て「ハナモモが落ちている」とか、「エゴだね」とか言い出すようになった。カラスノエンドウで笛を作るとか、シロツメクサで冠を編むとか、オシロイバナで色水を作るとか、クヌギのどんぐりに顔を描いてトトロにするとか、ムクロジの実を泡立てるとか、ナンテンの実を人形たちのリンゴに見立てるとか。遊べると思うからその植物に愛着を覚え、見分けられるようにもなる。
そして夏。年少の間、幼稚園の裏山でバッタ捕りに励んだおかげで捕まえるのも上手になり、チョウでもトンボでも、カナヘビでも、ホタルでも見れば「捕まえたい!」と追いかけ回す。
とくにホタルはやめてーっと思うが、何なら捕まえてもいいのか、その線引きは本当に悩ましい。
だいたい生き物を見たり、保護活動したりしている人は、小さい頃に散々、虫や植物をとって殺してきた経験を経てウォッチングや保護に昇華したか、ある程度大きくなってから始めたかのような気がする。捕って親しむほうが自然好きの子が増えるので、長い目で見れば環境にやさしい気もするけれど、捕る子どもの数に対して虫の個体数が少ない場所が多くなりすぎていて、個体群がその"長い時間"持たないのも事実。でも結局のところ大人の都合によるものなんだよなあ。
わたしはと言えば、母が子どもの頃に飼った虫をことごとく殺した記憶から「生き物は飼ったら死んじゃうから」と諭されて、絶対に飼わせてもらえなかった。だから小学生の頃は虫には全く興味がなかったし、未だに生態も知識としては読んでいても実体験として知らないことが多い気がする。
野の生き物を捕ってきての終生飼育はちょっと抵抗があるので、ベランダのレモンについたアゲハ幼虫を、終齢幼虫になってしばらくしてから家に入れて蛹化と羽化を観察したり、セミの幼虫を見つけてきて羽化を見たり。羽化させたら、そのまま窓を開けて放せば良いから、なんとなく許せる気がする。
We brought a cicada nymph back home to watch it emerges.
ミンミンゼミだったので、アブラゼミより羽がターコイズブルーな気がした。
でもこのミンミンは羽化させた場所が悪かったらしく、そっくり返るところまでは順調だったのに、起き上がるときに殻ごと落ちてしまい、右の羽をダメにしてしまった。 主脈が折れてしまったようで、羽を伸ばすための液体が途中で溢れ出て溜まってしまい、かわいそうだった。 捕ってこなければ、失敗しなかったかなぁなど、やっぱりちょっと責任を感じてしまうのだった。
I woke my little one up at four o'clock because this Swallowtail butterfly was about to come out from its chrysalis. Unlike cicadas, butterflies come out so quickly that it's more difficult to watch that magical moment.
The one on the 7th of July was already out when we woke up but we managed to sketch it together before my little one went to the kindergarten.
そんなときに起きたカブトムシ案件。
ある午前中、マンションの通路にカブトムシのメスがひっくり返ってもがいているのをチビと一緒に見つけた。とりあえず、絵を描こうと虫かごにいれ、夜に放しに行くことにした。
ところがチビが「放したくないよう。飼いたいよう。」
カブコちゃんと名前までつけている。
幼稚園の友達が何人もカブトムシを飼っていて、自分もやりたいと思っていたようだ。幼稚園のクラスではアリを飼っていて、それも毎日よく観察しているらしい。
子どもの頃に飼ってはいけないと言われた反動で、大人になってエキゾチックアニマルを大量に飼ったりするような人になっても困るしなあとか、自分で全部世話ができるようになってからがいいのではないかとか、夫とずいぶん話し合った結果、カブトムシ飼育はやっぱり子どもにとっては王道だし、やりたいと思ったときにやらせてあげるのも肝心だしっと飼ってみることに決めた。「カブトムシを捕ろうと思って、実際この辺にどのくらいいるものなんだろう」っと真夜中に網を持ってふらりと出かけた夫が、どうせやるならとかっこいい雄まで連れ帰ってきて。
カブトムシ観察日記もつけはじめている。
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