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芸大美術館のなかのスダジイ(Castanopsis cuspidata var. sieboldii) 支柱で支える処理(上)と不定根誘導処理(下)。
幹が傷ついた部分から生じる根をパイプなどを使って地下まで誘導する処理が最近よく行われているという。うまくいけば樹体を支えるのに効果があるが、不定根を伸ばすために、逆に既存の根に栄養が行かずに弱体化する恐れもある、ときいた。
支えやパイプがあまりにあちこちについていて、なんだか痛々しい。こんなになってまで"生かされている"老木も、かわいそうな気がしてしまう。
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谷中墓地内のスダジイ。コンクリートで空洞を充填する外科手術が行われている。腐朽部をすべて取り除き、殺菌などの処理をしたうえでコンクリートやモルタルで穴を塞ぐものだ。この木は、しっかりコンクリートを樹皮に似せる偽木処理までしてある。アートの世界だ。
でも最近は、こういう処理は全く効果がなく、返って健全な部分を傷つけるから良くないとされている。樹木がもつ自己貿防御機構に任せたほうが良いらしい。しかもコンクリートを壊せないため、2度目の処理ができなくなってしまうので問題だという。
実習のあと渋谷駅までみんなで歩いた。つい街路樹に目が行く。「道路の下は80㎝くらい固めてあって、根がはれないんだよね」「この木やばそうだね」 そんな会話をする大学生。
歩道の小さな土の窓にそぐわないほど育った街路樹を見ると
ReplyDelete逞しいと思うより気の毒に思えていましたが
��0cmも固めてあると知り、気持ちが揺れます
必死に生きている木の力と、悲しいほどの健気さに
複雑なため息がでました。
そんな境遇でも、今日もカラの混群を養っていました。
まみさん、
ReplyDelete生き物のため、人の憩いのために、都市にも緑を、緑地と緑地をつなぐコリドー(緑の回廊)をなどと言うけれど、都市の悪環境に植えられる当の"緑"にしてみたら、大変な任務ですよね。
確かに複雑ですね。