14 June 2025

エナガのくらし、産経児童文化出版賞の産経新聞賞

I attended the Sankei Shimbun's children's book award ceremony yesterday, because the photo picture book about Long-tailed Tits, which I wrote the text, got selected within the nine books!! Pic2 and 3 are with Yoshiteru Eguchi, the photographer, and Joe Takano, the editor of the book.

わたしが文章を書いた写真絵本『いつも仲間といっしょ エナガのくらし』が 第72回 産経児童出版文化賞の産経新聞賞を受賞しました!!
『いつも仲間といっしょ エナガのくらし』
(命のつながり シリーズ7)
 東郷なりさ作、江口欣照 写真、高野丈 編集 
文一総合出版
6月12日に贈賞式に参加してきた。とってもフォーマルな式で、なんだか緊張した。 紀子さまの臨席を賜り、受賞作それぞれに対するお言葉をいただいたり、直接お話する機会も少しあったのでなおさら。  
写真は写真家の江口欣照さん (右)と担当編集の高野丈さんと。大変お世話になりました。
大賞の『ひき石と24丁のとうふ』の大西暢夫さんのスピーチもとてもよかった。基本はイラスト絵本を作っているわたしにとって、絵本にするつもりはなくて20年撮り溜めていた写真がふとしたきっかけから絵本になるというプロセスは新鮮だった。でもある意味では、とりあえずスケッチし続けるというのも同じようなものなのかな。 

 バスが好きだったカブカと何度も読んだ『路線バスしゅっぱつ!』の鎌田歩さん(受賞作は『巨石運搬!海をこえて大阪城へ』)や、世界で大活躍中のケンブリッジ・スクール・オブ・アートの同窓生が作った『まぼろしの巨大くらげをさがして』の訳者さんにもお会いできたし、そのほかたくさんの初めましての絵本作家や絵本編集者、そして選者のみなさんとお話できて楽しかった。 

みなさんからの講評によれば、江口さんのかわいいエナガの写真は、「かわいい」には惑わされないぞと思っていらっしゃる選者さんをもつい魅了してしまった模様〜 シマエナガ人気の中で、エナガの絵本だったのもよかったようだ。これは文一総合出版ならではかな。わたしが子どもの視点、子どもに伝わる言葉を絵本に持ち込めたのかなと思っている。

10 June 2025

マンション子ども会のスケッチ会

東戸塚にあるマンション群、パークヒルズの子ども会に呼んでいただき、パークヒルズ内を散策して草木を観察したあと、採ってきたものをみんなでスケッチするという「おさんぽ おえかきの会」をした。 
I was asked to lead a walk and a sketch event in an apartment community near our place.   

 わたしが小学生の頃、住んでいた団地に高森登志夫さんが来てくださって、団地に生えている木の種類や見分け方を教えてくれたことがあり、それがわたしが身に周りの植物に興味を持つようになった一つのきっかけになった。だからこうして、子どもたちが自分の住むマンションの草木を見て絵を描くというイベントに呼んでくださってとてもうれしかった。
幼稚園から持って帰ってきた新玉ねぎを、娘と一緒に描いたスケッチですよーと見せているところ。
モミジのプロペラを落として、くるくる回るところを眺める。
ドクダミやクスノキの匂いをかいだり、カタバミで10円玉を綺麗にする話をしたり、四葉のクローバーを探したりして歩きながら、それぞれが描きたい植物を摘んだ。

パークヒルズは、近所で類を見ないほど、敷地内の公園が素敵なマンション。植栽も豊かだし、噴水から小川も流れていて、夏には子どもたちがみんな中に入ってジャブジャブ遊んでいる。
住民による子ども会や、緑の会があるのもすごいなあ。

今回は植木の管理をしている緑の会の方のご協力も得て、特別にアジサイやホタルブクロ、ビョウヤナギなどの花も切ってもらえることになった。
子どもにとって、採ってはいけない、ただ見るだけにしておきなさい、という花はなかなか興味を持ちにくい存在だと感じる。だから、きれいな花を手に採れる、ちぎったり匂いをかいだり好きにして良いというのは貴重な機会だったのではないかと思う。
みんなそれぞれ、真剣に描いていた。
各テーブルを回って、観察ポイントや描き方、塗り方をちょこっとアドバイス。
完成画を作るのではないから、文字で気になったことや思いついたこと、わかったことを書き込んでいくのもいい。
幼稚園の友達も数人参加していたので、カブカも参加者の一人として混ぜてもらった。

28 May 2025

ノムとノマの のいちごつみ

初めて書いたフィクション作品が福音館書店の「こどものとも年中向け」7月号、『ノムとノマの のいちごつみ』として刊行される。 
店頭には6月4日頃から約ひと月置かれ、その後は取り寄せとなる。

"Nom and Noma's Wild Berry Picking" is my new book published as the July issue of Kodomo-no-tomo (nenchu) by Fukuinkan Shoten Publishers. "
こどものとも年中向け 2025年7月号 
福音館書店 税込460円
ノムとノマの のいちごつみ』 とうごうなりさ さく
これは里山に棲むこびとたちのお話。コナラの木の根元を家にしている。森で採れるもの、拾えるものを食べて暮らしているふたりは、夏のはじめのある朝、ナワシロイチゴを摘みに出かける。

わたしの絵本づくりは、自然の中を歩き、お話の種を見つけることからはじまる。まずは本物をよく観察して、スケッチしながらお話や絵を作っていく。そんなことをトークイベントでお話したら、「フィクションで想像上の生き物を描くという場合はどうされるのですか?」と聞かれたことがある。
この絵本の始まりもやっぱり森歩きで、公園の池でカブカと笹舟を作って流してみたのがきっかけだった。カブカがこんな小さかった頃! 記念すべき3歳の誕生日。
「笹舟に乗るくらい小さな人たちがいたらいいなあ」と思い、そんなことを考えながら歩いていると、その小さな人たちの家になりそうな場所や、小さな人たちが座れそうなキノコ、食べ物になりそうな木の実や草の実が見つかった。
この人たちは、どんな暮らしをしているのだろう。どんなふうに日常の用具を手にいれるのだろう。
生き物の絵本なら、その生物について調べる。小人だったら、伝説として伝わる小人や妖精、その環境で暮らす近縁種ー人間ーの暮らしを参考にする。生態から見た目の特徴も考える。
そうやって想像した、森で拾えるもので作った、ノムノマの家。
全国に同種が住んでいて、細々とした交易はしているから、貝殻のお皿も持っている。
大きさの感覚をつかむためには、このくらいと思ったサイズで人形も作ってみた。ノムとノマの視点で森が見れる。
お話の中では、ナワシロイチゴは湖の島に生えているけれど、実際にはあちこちで見られるのいちごだ。以前に住んでいたマンションと隣の敷地の間にも生えていた。
5月にピンク色の花を咲かせ、
6月から7月にかけて、のいちごが実る。

お話の都合上、最後にさらりとしか出てこない、ジャム作り。 でもその一言を書くためには、ちゃんと実験もしている。こどもにとってその世界が信じられるかどうかは、わたしはけっこう大事な要素だと思うから。
本ができあがってから、カブカにノマちゃんをしてもらった。大きさは違うけど、自分が作り上げた世界を、こうして目の前にできて、とってもうれしかった!
絵本を読んだ子どもたちが、ノムとノマの気配を探して、または自分がノムとノマになったつもりで、森を歩き、笹舟を作り、カヌーを漕ぎ、のいちごを摘んでくれたらとてもうれしい。


服は母がクチナシで黄色に染めて作ってくれた。レギンスは、実は100均の洗濯ネット、カゴは夫が持ってたゴミ箱で代用!

地域の自然を守るタオル・サギ類とキタミソウ

太平電機株式会社の地域の自然を守るタオルの新作ができました。
コサギとダイサギはもうずいぶん前から栃木県立博物館、道の駅いちかいなど栃木県内で販売されています。そしてキタミソウがこの5月末から埼玉で新たに販売開始となりました。詳しい販売店については地域の自然を守るタオルのサイトをご覧ください。
New variety of the Towel to protect Nature are released, Little Egret, Great Egret and Water Mudwort. It was a headache to make the decorative feathers of egrets but I think they went well! 

もうひとつ、ブログで書き損ねていたお仕事紹介。 
5月12日発売の『婦人之友』の座談会企画で、鳥の巣研究家の鈴木まもるさん、シジュウカラ語の研究者の鈴木俊貴さんと鳥の魅力や野鳥観察についてお話させていただきました。 当日は鈴木まもるさんがスーツケースいっぱいに各国の珍しい鳥の巣を持ってきてくださって盛り上がりました。鈴木俊貴さんはちょっとした話題にも過去研究の事例を引き合いにいろいろ教えてくださって、おもしろかったです。
I talked about birds and birdwatching together with Mamoru Suzuki (Nestologist) and Toshitaka Suzuki (doctor in animal linguistics) and it was featured in the June issue of Fujinnotomo. 
昔、祖母は婦人之友を購読していた時期があったらしいので、わたしが載ったと知ったら、喜んだだろうなあ。 機会があったらご覧ください。

27 May 2025

代休に柴又の山本邸へ

授業参観の代休に母に連れられて、柴又の矢切の渡しと山本邸へ行ってきた。
We visited Yamamo-totei in Shibamata. It is a residential house built in 1920s and famous for its garden. Kabuka enjoyed watching and sketching the Japanese style things!

子どもと行くと妙なところで足止めをさせられる。まずは帝釈天のユキノシタ。先日の林道で絵を描き損ねた花だったので、描きたいという。 
そして江戸川河川敷へ行く道々、あちこちのイネ科に立ち止まる。(まだ調べられていないけれど!)
山本邸は、サザエさんが好きで磯野家の作りを学んだおかげで、有名な庭より、床の間の掛け軸や違い棚、雪見障子、黒電話、雨戸などを真剣に眺めていた。普通なら10分くらいでくるっと回って終わりだと思うけれど、少し知っているだけで興味を持って見られるから良い。あちこちで絵を描いたり、2時間くらいのんびり過ごした。平日でスペースに対してお客さんが少なかったので、自由に過ごせてありがたかった。
Sketch of the famous garden by Kabuka.
Rikisha
床の間
授業参観、手を挙げてたー!

25 May 2025

シジュウカラの巣箱

We visited our friend's house who has a pair of Japanese Tit nesting in a box with a camera on its ceiling. 
先日、友人宅に遊びに行き、巣箱の中のシジュウカラの雛たちを見せていただいた。見ると言っても、巣箱内に取り付けられたカメラを通してテレビ画面に映し出される姿。庭を親鳥が行き来する影が見えて、それと映像が連動するからおもしろい。 
親鳥が雛の嘴に対して巨大な青虫を押し込む。しばらくするとヒナはお尻を向けてフンをする。親鳥は咥えて持っていく。でも必ずフンをするとも限らない。羽が生えてしまったら、捕獲しない限り見えない耳の穴も、いまは裸だからよく見えた。それにしても、羽に隠れていなければ、鳥の足って長いんだなあ。
 
 
雛は5羽いるのだが、お互いが重なり合っていて、どこまでが1羽なのやら、どういう向きを向いているのやら判別が難しい。けっこう動くので、楽しくて永遠に見ていられる。 うちにも鳥が営巣してくれるカメラ付きの巣箱欲しい!と思うけれど、でもこれが家にあったら繁殖期の1ヶ月、全く仕事にならなさそうだなあ。 
これは前の訪問から1週間後。目も開いて、すっかり鳥らしい姿形になっている。 まだ翼の下、脇には裸の部分もあった。何かあったときのために、まずは飛べるように翼を成長させるのかなあ。
5月9日にカブカの学校帰りに寄らせていただいたときは、すっかりい羽もそろっていた。ヒナの1羽がしきりに巣穴から外をのぞいていたのだが、翌日5羽無事に巣立って行ったとのこと。

This Instagram post is my Japanese Tit's nest story! Kabuka kindly read it aloud for the movie. 
こちらはわたしが作ったシジュウカラの巣の話。カブカが読んでくれた〜

ゴールデンウィークと渡りの夏鳥

Some sketches from end of April to May. 
すっかりブログ更新をサボっていた。ゴールデンウィーク前後のスケッチブックから。
Wisteria from my aunt's garden. This tree was grown up from a bean which I picked from a park and secretly planted in my gran's planter all those years ago! 
祖母の2度目の命日。ちょうどカブカのピアノのレッスンで伯母の家に行ったのでお線香をあげてきた。 わたしが小学生の頃、高根台団地の公園の藤棚から豆をとってきてベランダのプランターにこっそり入れたものが発芽し大きくなったので伯母の庭に植えた、という曰く付きの藤がきれいに花を咲かせていた。一房もらってきたので、帰ってきてから二人で絵を描いた。
Blue and White Flycatcher 
4月19日 近くの公園でオオルリが見られた。
 声で気づき、樹冠を探したら発見。一瞬だけど陽の当たる低い位置に止まってくれて、カブカ「わー!図鑑みたいな色だ!」 カブカはあまり自然番組や図鑑から入らず、フィールドで見て生き物を覚えたタイプなので、肉眼での見え方で種を識別していることが多い。だから図鑑を見て本当はこんなにカラフルじゃないのにと思っている節がある。光条件が合ってようやく見える色もある。
こちらもゴールデンウィーク中に近くの公園で見つけた夏鳥。
We tried making paper with a kind of mulberry fibers. 
谷戸まつりで紙漉き体験をさせてもらう。ヒメコウゾの白皮を煮てほぐし繊維をとった本格的な和紙。 今度準備過程ものぞいてみたい。
カブカは水辺で使えるMy網を買ってもらい、最近はどこへ行くにも持ち歩いている。アメリカザリガニやドジョウ、エビ類をとってご満悦。
Siberian blue robin in a mountain! 
ゴールデンウィークは少し遠出もした。コルリ! 渋滞には巻き込まれたけど、この声が聞けるのは幸せ。 思ったより、よっぽど高いところにいて、最初はぜんぜん見つからなかったし、明るい背景をバックに見るから、小瑠璃というより、小黒だったけど、見られただけで幸せ! 渡り当初は、木の高いところでさえずると学んだ。
カブカのコルリとミソサザイのスケッチ。