29 July 2023

夏休み 高見石ハイキング

小さい頃の夏の思い出といえば八ヶ岳だった。
わたしが今の娘と同じ4歳だったとき、美濃口から行者小屋までは歩いたのだけど、小屋で昼寝をして帰りは全部おんぶで帰ってきたらしい。

わたしはチビをおんぶして山歩きができる気がしなかったので、どのくらいなら歩いてくれるだろうと吟味した結果、白駒池に行くことにした。もう少しだけ足を伸ばすとしたら高見石かなあと、夫が登山道の雰囲気を見るために山ガールが出している動画を見つけてきた。そのYoutuberは高見石小屋の揚げパンをとてもおいしそうに食べていた。それをじっと見ていたチビが「あの人、食べたあとに、目をつぶって、うーーーん、おいしい!ってやってたね。やりたい!」っと言い出したので、がんばって登ることに!

We climbed up to Takamiishi from Shirakoma Pond in North Yatsugatake.    
It was a pleasant walk through moss forest up to the Takamiishi hat and then a rocky climb to the view point. Little one walked through out!
がんばって登った岩の頂上から自分がいままでいた白駒池を見たのは達成感があったようで、「また、山登りしたい! 岩、登りたい!」
無理に歩かせて山嫌いにしない、は気をつけていたことの一つなので、一安心。
What she wanted to draw was the reflection of trees on the pond! I was quite amazed that she noticed that in the first place. 
ルリイトトンボ Blue Damselfly
子どものペースで登るので、大人は案外余裕があり、ルリビタキやホシガラス、ミソサザイ、コガラ、ヒガラ、キクイタダキなど鳥を見られるのもよかった。
そして高見石小屋までの道はすばらしいコケの森。時間に余裕があったら、コケのスケッチもしたかった。夫がずいぶん事前学習してたけど、見分けるとなるとなかなか難しい。
Red-flanked Bluetail. 
We could hear them singing the minute we entered the forest but it was difficult to find in the deep forest. But when we climbed up to the rocky area, one perched in front of us!
ツノアオカメムシ なんてきれい! 
ミヤマオダマキ
八岳滝。 
沢を見たとたん 、「着替えある?」
手を浸けていられないほど水は冷たいのに、チビは平気でびしゃびしゃはじめる。長靴は完全に浸水。長靴の意味なし。いや、むしろバケツ代わり。
View of Yatsugatake mountain from Takizawa Bokujyo.  
小さい頃、滝沢牧場で引き馬に乗った記憶があったので、チビも馬に乗せてみた。
最終日ランチは牧場でBBQ。「せっかく旅行なのに、結局オレが肉焼いてる」っと一家の料理担当の夫は不満げだった。 
It's difficult to draw horses.

28 July 2023

夏休み 餌台のウソ

宿泊した八千穂山荘の餌台にウソがやってきた。
ウソは『14ひきの もちつき』にも出てくるし、わたしが日々使っているイギリス製のコップにもついている(お腹の赤い亜種だけど)し、太宰府のお土産の木彫りの鷽も持っているので、チビはよく知っている鳥だったが、これまで見たことがなかったので、とってもとっても喜んだ。 
Yachiho Sanso, where we stayed two nights had a bird feeder and the Bullfinch famies came reguraly.  So we sketched and sketched them.  
普段、遠くの点のような鳥や、一瞬飛んだ影を見せられて、「ほら、あのオレンジがヤマガラだよ」「いまのサンコウチョウ。見た?」などと言われているチビは、鳥がこんなに近くで見られるのは不思議で仕方なかった模様。「この木の後ろに網があるの?」と巨大なフライングケージに向かって窓がついているのかと、しきりに聞いてきておかしかった。

こうした小鳥の餌台の是非は賛否両論あって、わたしはどちらの意見にも納得する部分がある。でも、双眼鏡はまだうまく使いこなせないけれど鳥を見たい、描きたいチビと一緒にいると、こういう場所は本当にありがたい。小さい子にとって、"遠くの点ウォッチング"はやっぱり魅力的とは言い難く、鳥に興味を持たせるのは難しいから。
ウソの幼鳥は、わたしも初めて見た。単体で見たら、ダルマエナガ?!とか言ってしまいそうな顔をしている。
メスは飛来頻度が低かったけれど、それでもチビはちゃんとオス、メス、幼鳥をしっかり見分けていた。 
餌台のウソはよっぽど気に入ったらしく、帰りの車で、「フィーフィー」しか言わないと思ったら、自分は山荘の餌台にいた"ウソち"なんだと言い出す始末。本物のチビは、代わりに今も山荘にいて、餌台のヒマワリの種を食べているということになっているらしい……。
My Little one could immediately identify males, females and juveniles.
最終日の朝食後には、イカルとイカルの幼鳥もやってきた。
夫が見つけ、「あれなんだ?」っと言っていたら、チビがすぐさま「イカル!」っと識別したらしい。 見たことがないのによく知っているのは『14ひきの さむいふゆ』にひっそりと描かれているから。

 わたしは最終日の早朝に一人日の出とともに起きて、八千穂高原散歩をさせてもらった。
ホオジロがいっぱい。イカル、コガラ、ヒガラ、ノスリ、キビタキ、アカゲラ。遠くアオバトとホトトギスの声。幸せ!

27 July 2023

夏休み オオムラサキセンター

We went to Yatsugatake for our summer holiday and visited the Oomurasaki Center on the way. The centre has a walk-in cage, where they raise lots of Oomurasaki, the Great purple emperors.  But they also has a nature park which is taken cared in a very insect friendly way. 
夏休みは北八ヶ岳に行ってきた。
最近チビが虫ガールになりつつあるので、初日はオオムラサキセンターに寄った。 
園内の里山環境は虫のために整備されているので虫の気配がとても濃い。勝手に虫取りをしてはだめで、キャッチ&リリースを条件にセンターで虫取り網と虫かごを借りることができる。 アキアカネ系のトンボやハグロトンボ、イトトンボ、キチョウにゴイシジミまで追いかけ回し、網で捕まえるのも、ハンドリングもちょっとうまくなってきた。でも旅行の最初にこれをやってしまったのが失敗のもとで、以降どこへ行っても、ひたすらトンボを捕まえたがって、ちっとも歩みが進まず大変だった。
初めてみた、ルリボシカミキリ!  触角の黒い点は、毛玉のように膨らんでいるなんて、間近で見て初めて知った。
Rosalia batesi
捕まえられるとなると、それで"ゲット"した気分になって満足するのか、チビがあまり虫をスケッチしなくなった気がする。(おかげでわたしはのんびり描ける!)
虫かごに入れるとどこかへ飛んでいくことはないけど、狭い中でバタバタされてしまうので、絵を描きにくくなるという問題も。でも裏側とかを観察するのにはいいなあ。
ケージ内のオオムラサキ。
The Great purple emperor in the walk-in cage.
こういうの絶対に調べがつかないやつっと思いながら、チビが見つけたので蛾の幼虫を一緒にスケッチした。タケカレハの幼虫かな?

 園内でジョウビタキの親子を見た。いつの間にか、一番よく見られる鳥になっているみたい!

21 July 2023

野の虫は野に?

わたしも夫も、野の鳥は野に、野の虫は野にと生き物は野外観察派。
自然の摂理の中で生きている姿を、できる限り邪魔しないようにそっと見させてもらうのが好き。双眼鏡で眺め、夫は写真を撮り、わたしはスケッチしていることが多い。

でも4歳児には、ただ愛でるという考え方、遊び方は高度すぎる。やっぱり目の前、手元で見たい、捕まえたい、触ってみたい。そして、それができないものについては興味を持たないし、覚えもしない。 
植物はこれまで、実など落ちてるものは、少し拾って持ち帰ってよい、花も雑草レベルなら採ってもよいと言って、自由に剥いたりちぎったりさせたので、いつの間にか道端に落ちている種だけを見て「ハナモモが落ちている」とか、「エゴだね」とか言い出すようになった。カラスノエンドウで笛を作るとか、シロツメクサで冠を編むとか、オシロイバナで色水を作るとか、クヌギのどんぐりに顔を描いてトトロにするとか、ムクロジの実を泡立てるとか、ナンテンの実を人形たちのリンゴに見立てるとか。遊べると思うからその植物に愛着を覚え、見分けられるようにもなる。 

そして夏。年少の間、幼稚園の裏山でバッタ捕りに励んだおかげで捕まえるのも上手になり、チョウでもトンボでも、カナヘビでも、ホタルでも見れば「捕まえたい!」と追いかけ回す。 とくにホタルはやめてーっと思うが、何なら捕まえてもいいのか、その線引きは本当に悩ましい。

だいたい生き物を見たり、保護活動したりしている人は、小さい頃に散々、虫や植物をとって殺してきた経験を経てウォッチングや保護に昇華したか、ある程度大きくなってから始めたかのような気がする。捕って親しむほうが自然好きの子が増えるので、長い目で見れば環境にやさしい気もするけれど、捕る子どもの数に対して虫の個体数が少ない場所が多くなりすぎていて、個体群がその"長い時間"持たないのも事実。でも結局のところ大人の都合によるものなんだよなあ。
わたしはと言えば、母が子どもの頃に飼った虫をことごとく殺した記憶から「生き物は飼ったら死んじゃうから」と諭されて、絶対に飼わせてもらえなかった。だから小学生の頃は虫には全く興味がなかったし、未だに生態も知識としては読んでいても実体験として知らないことが多い気がする。
野の生き物を捕ってきての終生飼育はちょっと抵抗があるので、ベランダのレモンについたアゲハ幼虫を、終齢幼虫になってしばらくしてから家に入れて蛹化と羽化を観察したり、セミの幼虫を見つけてきて羽化を見たり。羽化させたら、そのまま窓を開けて放せば良いから、なんとなく許せる気がする。
We brought a cicada nymph back home to watch it emerges.
ミンミンゼミだったので、アブラゼミより羽がターコイズブルーな気がした。
でもこのミンミンは羽化させた場所が悪かったらしく、そっくり返るところまでは順調だったのに、起き上がるときに殻ごと落ちてしまい、右の羽をダメにしてしまった。 主脈が折れてしまったようで、羽を伸ばすための液体が途中で溢れ出て溜まってしまい、かわいそうだった。 捕ってこなければ、失敗しなかったかなぁなど、やっぱりちょっと責任を感じてしまうのだった。
I woke my little one up at four o'clock because this Swallowtail butterfly was about to come out from its chrysalis. Unlike cicadas, butterflies come out so quickly that it's more difficult to watch that magical moment.
The one on the 7th of July was already out when we woke up but we managed to sketch it together before my little one went to the kindergarten. 
そんなときに起きたカブトムシ案件。 
ある午前中、マンションの通路にカブトムシのメスがひっくり返ってもがいているのをチビと一緒に見つけた。とりあえず、絵を描こうと虫かごにいれ、夜に放しに行くことにした。
ところがチビが「放したくないよう。飼いたいよう。」 
カブコちゃんと名前までつけている。
幼稚園の友達が何人もカブトムシを飼っていて、自分もやりたいと思っていたようだ。幼稚園のクラスではアリを飼っていて、それも毎日よく観察しているらしい。
子どもの頃に飼ってはいけないと言われた反動で、大人になってエキゾチックアニマルを大量に飼ったりするような人になっても困るしなあとか、自分で全部世話ができるようになってからがいいのではないかとか、夫とずいぶん話し合った結果、カブトムシ飼育はやっぱり子どもにとっては王道だし、やりたいと思ったときにやらせてあげるのも肝心だしっと飼ってみることに決めた。「カブトムシを捕ろうと思って、実際この辺にどのくらいいるものなんだろう」っと真夜中に網を持ってふらりと出かけた夫が、どうせやるならとかっこいい雄まで連れ帰ってきて。
その顛末を知った母が、さっそく飼育ケースや土など一式を買ってきてくれた!
いつもは7時半を過ぎても起きてくれないチビが、カブトムシを飼い出した翌日は6時前に目を覚まし「カブトムシ見てくる!」 
カブトムシ観察日記もつけはじめている。
日本語訳をつけておかないと、そのうち読めなくなる気がするが……。
I made a rubber stamp of the Japanese Rhinoceros beetle for my little one!

6 July 2023

サシバのタオルと感謝状

うみべのえほんやツバメ号さんでの原画展にいらしてくださったみなさま、どうもありがとうございました。
昨日に無事に片付け。 
高校時代の友達が一家で来てくれたり、昨年の子どもの本の教室の方や、鳥関係の知人が来てくれたり! 毎週在廊というわけにもいかず、お会いし損ねてしまった方は失礼しました。芳名帳でお名前を発見してうれしかったです。 

 今日は絵本の打ち合わせから帰ってきたら、家に大きな箱が!
わたしが刺繍の元のデザインをしている太平電機株式会社の「地域の自然を守るタオル」。
このタオルのシリーズは、なんと今年の3月で累計売上40,000枚達成!だそうで、21種類をデザインした(未販売を含む)わたしは、感謝状とデザイン仕事に役立つプレゼントをいただいた。うれしい! こんなプロジェクトに関われていることに感謝です。  
The Grey-faced Buzzard versions of "towels to help protecting the local nature" are out now in Ichikai, Tochigi. Female is on the green towel, male on the white, juvenile on the blue. They sold more than 40,000 towels from this series in total by this March and gave me a letter of gratitude with a very nice present, which will be very useful in my designing job. I feel very happy!
新作は、サシバ版が雄と雌そして幼鳥の3種類も同時にできていて、すでにこの春から、栃木県の道の駅サシバの里いちかいで販売開始している。

これと思った色の刺繍糸を選ぶのがけっこう難しいので、最近は刺繍糸の色見本をいただき、それを手にわたしが糸の色候補を選ぶことになっている。この刺繍糸の色味本がなんとも美しくて見ていて飽きない……のだけど、光の具合で明るく見えたり暗く見えたり。色見本で見るのと、実際に刺繍されて他の色と隣同士になった状態で見るのと、色が違って感じられたり。一筋縄ではいかなくて、感覚が掴めるようになるまでが大変そう。