29 May 2018

渡良瀬遊水地の鳥

Before May ends, I should post my sketches from early May at Watarase Reservoir. I'd been there several times before but only in winter and it was my first time visiting there in Spring.  The scenery was totally different, of course, with green leaves of reed growing, and so as the bird species.  Very few winter ducks remained at the lake but we saw many reed warblers.      
ゴールデンウィークのスケッチブックから。近場で、かつ普段あまり見ない環境をと思い、渡良瀬遊水地に出かけた。



オオセッカ。鳴き声からちゃんと自分で見つけられてうれしかった。オオヨシキリの好きな環境と、オオセッカ、コヨシキリが好きなちょっと草丈の低い環境とがよくわかった気がした。
Watarase is one of the few precious habitats for Marsh Grassbird. 



コヨシキリ。せっかくならオオヨシキリもしっかりスケッチすれば良かったと思ったのだが、どうしても珍しい方に目が行ってしまうのが探鳥の常。



The noisiest at the reed bed was the Oriental Reed Warblers but there were some Black-browed Reed Warblers at some places.
And we spotted Japanese Weasels several times, too.

さえずるアオジ、キアシシギ、コチドリ、コアジサシ、キビタキなども見つけた。



美しい青色のチョウジソウ。



昼寝中をちょっとだけ。



帰り際、「あれ、こんなところにもコウノトリのデコイあったっけ。前に通った時には気付かなかったな」と思い、一応双眼鏡をのぞいたら、デコイが動いた!
どうやら野田市での放鳥個体、ひかるらしかった。アオサギなどに比べて、こんなに大きいんだ!
The Reintroduced Oriental Stork.  

25 May 2018

潟船から

ようやく福島潟で描いた風景スケッチをアップする。
Some sketches of Fukushimagata nature reserve.  I had a boat trip on the lake! 



NPO法人ねっとわーく福島潟のおじさんたちが潟船を漕ぎ出してくれた。葦原、コウホネを水鳥の目線から見られる。特別に大回りをしてもらって、潟に浮かぶ小さな島にもちょこっと上陸させてもらった。長靴が必要なぬかるみを想像していたら、案外、乾いていた。おじさんたち曰く、こうした島は、年々小さくなっているそうだ。



福島潟から帰ってきて、ガンバの物語シリーズを書いた齊藤敦夫氏の最新作『河童のユウタの冒険』を読みはじめた。何しろ主人公の河童が住んでいる「恵みの湖」は「北国の、海から九キロほど内陸に入ったところに、葦におおわれた十の島をもつ湖」で「毎年五千羽をこえるオオヒシクイと、三千羽をこえる白鳥が、はるか北の国から飛来する」ところ、つまり福島潟がモデルになっているのだ。

13日にあった「福島潟一周ウォーク」後のお話の中で、大熊孝 名誉館長がイギリスの児童文学にはアーサー・ランサム全集や『たのしい川辺』など水辺を扱ったものが多いが日本にはあまりないとした上で、この『河童のユウタの冒険』を紹介されていた。
実際にこのお話は、フィクションながら情景描写が現実世界に即しているところ、出てくる生き物がどれもしっかり種名で書かれているところが、とてもイギリス文学っぽい。そこに河童、九尾の狐、天狗と、日本の言い伝えや昔話がまざる。
イギリスの児童文学の名作が次々に訳された時代に児童書編集部にいて、瀬田貞二氏などと交流も深かった作者だからこそなのだろう。日本の児童文学には、こういうものがあったら良いという考えを持って書かれたお話な気がした。
とはいえ、そんな感想を持ってしまうのは、大人になり、何かしらの意図を持って絵本を作る立場になってからこの本を読んでしまったからで、小学生の頃にこれを読み、福島潟で遊べたら、とってもワクワクした気がする。



菖蒲湯に入れるショウブの花を見ることができた。おじさんたちがショウブに触れてちょっとガサガサとしたとたん、あの匂いがあたりに漂った。
きれいな花を咲かせるキショウブなどはアヤメ科で、これはショウブ科。



This is the scenery you can see from the entrance of the gallery, where around forty of my works are up at the moment.  Isn't it a fabulous setting?   



ヤナギトラノオとサワオグルマ。



21 May 2018

福島潟の鳥

個展の搬入で福島潟を訪れ、少しだけれどもちろん鳥見もした。家の近所には草原環境も葦原環境もないので、見られてうれしい鳥がたくさんいた。
We walked around the Fukushimagata nature reserve in the early morning when we visited there to set up my exhibition. 



Black-faced Bunting. 
さえずるアオジ。



Cuckoo, which must had arrived in the reserve only a few days before, was singing away.
渡ってきたばかりのカッコウ。黒にオレンジ色の毛が生えたように見える大きな毛虫をくわえていた。毛があると上手く呑み込めないのか、大きすぎるのか、食べるのに苦労していて、数分間くわえなおしたり、どうしようとフリーズしていたり。



カッコウは不思議なプロポーションなので描きにくい。頭や嘴が案外小さくて、足がとても前の方についていて、翼が長い。



Oriental Reed Warbler.
メタルリングをつけている個体だったのだけれど、望遠鏡でも番号まではさすがに読めなかった。新潟の方言で、オオヨシキリは「ちょちょず」と呼び、おしゃべりな人のことも差すそうだ。調べていたら津軽弁では「ちょちょじ」のようで、かなり似ている。



Chestnut-eared Bunting.  
ホオアカ。



Osprey. 
 ミサゴ。



Wood Sandpiper. 
タカブシギ。



Chestnut-cheeked Starling. 
コムクドリ。しっかり探せば神奈川でも時期によってはいるはずの鳥なのだけれど、久しぶりによく見た。こんなに可愛い鳥だったっけ。



Meadow Bunting.  
紫雲寺さえずりの里で見たホオジロ。オオヤマザクラと思われる木に止まっていた。

スケッチはし損ねたけれど、コサメビタキもビュー福島潟のカフェでお昼を食べながら、目の前の木を飛び交うのを見た。

14 May 2018

新潟個展

新潟市北区の福島潟での個展『風景の中の鳥たち 東郷なりさの作品展』がはじまった。
水の駅「ビュー福島潟」という、平な農地と湿地にニョキっと立ち、上部が大きく下部が小さい円柱形のユニークな形をした建物の5階にあるにある円形の展示室に、これまで描きためた作品約40点を展示した。
My solo exhibition at Fukushiagata nature reserve in Nigata had just started.  

◆◇◆『風景の中の鳥たち 東郷なりさの作品展』◆◇◆
日時:2018年5月12日(土) - 6月10日(日) 9:00-17:00
※月曜休館 ※入館は16:30まで
場所:水の駅「ビュー福島潟」5F 企画展示室
(新潟市北区前新田乙493)
入館料がかかります(一般400円、小中高生200円、未就学児無料)。



It is a circular gallery space on the fifth floor of a nature centre.
この展示は、わたしのこのブログをたまたま検索で見つけて、2008年頃からずっとフォローしてくださっていたという、ビュー福島潟のスタッフの方が企画してくださり実現した。札幌に続いて、不思議なご縁であちこちを作品とともに回ることができ、幸せ者だと実感する。



The entrance of Veiw Fukushimagata, the nature centre of the reserve.  The place is famous for wintering Bean Geese, hence their foot prints leading to the building.  



建物は全面ガラス張りで、螺旋状のスロープで上部へ登れるようになっている。5階の企画展示室入り口からも、ちょうど福島潟の全貌、かやぶき屋根の潟来亭がのぞめる。



はじめにこの企画のお話をいただいたときは、こんな広いスペースを埋めるだけ作品があるか心配だったけれど、思ったよりぎっしりと見応えある感じになってよかった。



3月に打ち合わせに訪れた際に描いたスケッチ、それを元に作った作品もいくつか展示した。



そして札幌につづいて、またこの展示にも、仕事で新潟に赴任している農工大の同級生が見に来てくれてうれしかった。



ビュー福島潟一階には素敵なショップがあり、展示に合わせてわたしの版画やグッズも置かせていただいている。



福島潟の葦100%で作られた福島潟ヨシあし和紙に、取材時に見た生き物を描いてミニ額に入れてみた。



Above mini paintings and this harrier print are on the paper made of reed from this nature reserve.  

自然保護区の観察センターに、常設の自然や歴史についての展示室、企画展示室、潟が見られるライブカメラ、お土産が買えるショップに軽食が食べられるカフェ、そして円形のホールまでが揃っていて、どれも素敵にできている。イギリスの大きな自然保護区のようなところだ。

建物の耐震構造の問題から廃止になってしまった行徳野鳥観察舎を再建したいという動きが出ていているけれど、このビュー福島潟くらいカッコ良くて充実した施設になったら良いのにと思う。

11 May 2018

地域の自然を守るタオル

太平電機株式会社にご依頼をいただいて、「地域の自然を守るタオル」の刺繍デザインをやらせていただいた。
描いたのはオオトラツグミ、ルリカケス、アカヒゲという奄美の野鳥3種類で、売り上げの一部が奄美大島の自然保護に寄付される。
I made the embroidery designs for small towels.  All three birds, Amami Thrush, Lidth's Jay, Ryukyu Robin, are unique and special in Amamioshima island.  And some part of the sales of the towel will go to nature conservation in Amami.  



このタオルハンカチは今治タオルで、色付きのものは草木染めされている。

大学時代に奄美大島は2度訪れて、知人の親戚のお家に泊めていただいたり、夜探に連れて行ってもらったりと奄美大島の人には本当に歓迎してもらった。だからこんな形で奄美に関わる仕事ができたのはとてもうれしい。



これから奄美大島のお店等にお土産として置かれる予定だが、まずは東京港野鳥公園フェスティバルの奄美猫部のブースで販売される。

第6回 東京港野鳥公園フェスティバル
日時:5月20日(日)10:00-15:00
芝生広場のブースの真ん中、C13の奄美猫部のブース
タオルハンカチは一枚900円。
東京港野鳥公園フェスティバルに行かれる方はぜひのぞいてみてください!

またこのタオルの販売を希望する店舗を募集中とのこと。詳しくは太平電機株式会社のECOひいきプロジェクトのページをご覧ください。



Although the designs are as small as 4×4 cm, we tried to make them perfect, choosing the thread colour carefully and adjusting them to suit what can be done by embroidery.   



うろこ模様のオオトラツグミは、とりわけ刺繍にするのが難しかったようだ。タオルの色、刺繍糸の色の組み合わせで見え方が全く異なるので、ぴったりくる色を選ぶのに、何度もサンプルを作ってもらった。

9 May 2018

I've Got Married!

I've got married. 
That's what seemed to have happened in the last few weeks. 

I'd never been a girl who would dream of a prince charming on a white horse nor would believe that I must get married someday.  And for the past few years, I loved feeling free to plan my life, go and live anywhere and was just very content having lots of works, creating children's books and illustrations.  
So the idea of becoming a wife of someone, tied to a new family and having more responsibilities scared me.   

But now that I took the big step, I am enjoying it.  It really changes the aspect of the life.  



My husband and I started our new life in the apartment room with a view of Mt. Fuji,  surrounded by orchards.  
自然観察を通じて知り合い、数年お付き合いした方と4月に結婚しました。直接ご報告できず、この場でのお知らせになってしまったみなさま、失礼いたしました。

大学生の頃から"顔は知っている人"だったのだけれど、はじめて個人的に喋ったのは、留学から帰国して直後の市ヶ谷の駅だった。彼は会社の昼休みに山𦚰でのワイルドライフアート協会展を見に来てくれていて、展示会場へ向かうわたしとすれ違ったときに、「この展示見ました? ぜったいに行ったほうがいい。好きだと思う」と鞄から、とてつもなく皺くちゃになった大野麥風展のチラシを取り出してくれた。

『きょうは たびびより』を作るきっかけとなった、ヒヨドリの渡りを見に真鶴半島に連れて行ってくれたのも彼だ。



式も披露宴もせずに親族のお食事会だけにしたので、記念にウェディングフォトは撮ってもらった。更衣室で待ち時間があったので、鏡を前にスケッチブックを開いてみた。自画像を描く機会なんて滅多にないに違いない。



写真を撮るにあたって、ブーケ、ブートリアと髪飾りは生花にした。何か青いものは、ブルースターという花らしい。家に帰って、久しぶりに生けられた花を描いた。
花屋さんが特別良い花をくれたのか、何日もきれいな状態で持って、とても楽しんだブーケだった。



Starting a new life, I bought a big new desk!  I had been using my old one from my junior high school days for so long.  This is the first step for my dream studio space in the future. 
新居で暮らすにあたって、机を買った。色々な作業をするのに、大きな物が欲しかったので、ダイニングテーブルにオーダーメイドで棚をつけてもらったもの。九州産の杉でできた足場板を再利用して作られている。どっしりとした木の雰囲気と素朴な色味がとても気に入った。

わたしの場合は、家庭でもあり仕事場でもある"ホーム"が変わる人生の転換点。 新しい世界が広がって、作品作りにも変化があるだろうか。

6 May 2018

第17回フィールドスケッチ会

4月末にフィールドスケッチ会を東京港野鳥公園で行った。暑いくらいの陽気で、太陽の照る外で描き続けるのは大変だったので、センターやハイドが多い環境だったのはありがたかった。
We had a field sketching day on the 30th April at Tokyo Port Wild Bird Park. It was a sunny, hot day. I spent most of the time drawing Whimbrels from a hide.  They are spring migrants here.  



チュウシャクシギ。どんどん歩いてしまうので、望遠鏡を動かして追いながらスケッチすることになり、形をとるのに苦労した。ハイドではスケッチブックを載せられる台があるので、片手に双眼鏡、片手に鉛筆というスタイルでスケッチできて、少し描きやすかった。



鳴いた瞬間やカニを捕まえた瞬間を描きたいのだが、開いた嘴は難しい。





Little Grebe and some winter ducks.  There were still some Pochards, Shovelers, Gadwalls and Tufted ducks staying at the pond.   




お世辞にもきれいとは言えない羽色のスズガモ。でもハイドの窓の前にいたので、のんびり描かせてくれた。風が吹いたときの水面の模様がきれいだった。



東京港野鳥公園といえば、汐入の池の杭にカワウがずらりといるイメージが強いけれど、この時期はカワウの採餌が異なり、野鳥公園内の数はそう多くはないのだという。

公式ブログの報告はこちら。当日の写真や参加者の絵もアップされています。