『
あかちゃんの おさんぽえほん』という3冊セットの赤ちゃん絵本が3月6日に福音館書店から出る。
3冊のタイトルは『
あ!てんとうむし』、『
からすが かあ!』、『
たんぽぽのはら』で、それぞれ単品でも購入できる。書店によってはケース入りセットは注文扱いになるところもあるようだ。
かわいい装丁は中嶋香織さん! 生き物についてのチェックを柴田佳秀さんにお願いした。
My three board books for baby will come out very soon on the 6th March from Fukuinkan Shoten Publishers. They are "Look, a Ladybird!", "Crows Go Caw" and "Dandelion Meadow." They come as a box set but you can also buy one another separately.
These three are my 8th, 9th and 10th picture books that I wrote and illustrated. My first publication was "Weihnachtsspuren im Winterwald" in 2014 so this means ten books in ten years! Not bad!
これまでに作った絵本はカブカが生まれる前かお腹にいるときにお話を作ったものだったので、この3冊がカブカを観察し一緒に遊ぶ中で作った初めての絵本になった。
わたしも夫も趣味の自然観察を子どもが生まれても続けたかったのと、環境教育ーー自然好きな子に育てるーーに興味があったので、半ば実験的に(カブカ、ごめん!)どうやったら生き物好きな子になるかと思いながら子育てをしてきた。
アンパンマンやミッキーマウス、消防車、電車などは子どもが絶対に好きになると言われるけれど、赤ちゃんが自分でそれらを探し出してくることはできないので一番初めはなんらかの形で大人が与えていることになる。大人が与える小物や洋服の柄が、例えばどれもカワセミやメジロだったら、鳥は"大好きなキャラクター"になり得るのだろうか。それでも、いわゆるキャラクターと並んだらやっぱり勝てないのだろうか、などなど興味を持って乳幼児観察をしていた。そして日常会話の中で、消防車、救急車、パトカー、タクシー、ゴミ収集車などをただ「車」としないで種別で呼ぶのと同じように、鳥や動物、植物もできるかぎり「鳥さん」などとしないで、種名で言うようにしてみた。その"教育"の成果は1歳半にもなると現れてきて、わたしのコーヒーカップについている絵と、『あおのじかん』に出てくる絵は同じ"アオガラ"だと気づき、同じだと指差して喜んでくれるようになった。最初に発した約110語の中にも「アーアーッ(カラス)」、「アイ(アリ)」、「ヒヨ(ヒヨドリ)」、「ハチ(ハト)」、「メー(メジロ)」、「パフ(パフィン=ツノメドリ)」、「テッ(テントウムシ)」、「ターシー(カワセミ)」などの言葉が入っていた。(これはそれだけ、親が鳥や虫の話ばかりしていたせいだとも言う。)
わたしが育てたのはカブカ1人、サンプル数1なので大それたことは何も言えないけれど、赤ちゃんはやっぱり身近にある絵柄に親近感を覚えるし、同じ柄、物を何度も見聞きすることでそれを覚えてくれることもわかった。そうとなると、やっぱり赤ちゃんが身近に見られる自然についての絵本がほしい。
でも書店や図書館の赤ちゃん絵本のコーナーにいくと、ライオンやキリンが出てくるものはあっても、日本の自然の絵本は本当に少なかった。それならと思って作り始めたのがこの赤ちゃん絵本だった。
福音館書店が発行する「あのね」2024年3月号にも制作話を少し書かせていただいた。web上でも「
あのねエッセイ」として公開されている。
The first book I wrote among the three was the "Crow Go Caw." Because crow was the first bird my girl recognised and pointed with her fingers. The "ah ah" word imitating the sound of crow was in one of the first thirty words she spoke. Sparrows and starlings seemed to be too small for a one-year old to watch but she could pick up a big black bird.
赤ちゃんとの時間を過ごす中で、0歳向けの絵本はある意味で親のための絵本でもあるなあと感じた。泣く以外の反応が薄くどう一緒に遊んで良いのかわからない時期、疲れて何もする気がおきない時間、一緒に寝転がり絵本を声に出して読んでいると楽しい時間が過ごせた。ただ絵が並んでいるだけのあまりに単純な絵や内容の本だと、親のほうがどう楽しんで良いのかわからなくなる。きれいな絵でストーリーがあると親も楽しめ、結果的に赤ちゃんにとっても良い時間を共有できる気がした。そんなことから、内容は1歳と2歳児向けだけれど、0歳児がめくって遊べるボードブックという形にこだわって作ってもらった。
Artworks are made by rubber stamps and linocut. I intended to take photos of the step by step creative process but making three books at the same time was a little too chaotic and I forgot about it. Here are some that I managed to take.
技法は、消しゴムはんことリノリウム版画。