1 June 2021

自然の色

オカメザクラの実がきれいな赤が出ることが分かって以来、散歩に出るたびにチビは桜の実を拾っている。 
Some more trials of drawing with wild fruits and flowers.
My mum came with a piece of gauze. She extracted the liquid from the fruits and it became a really nice ink to work with! 
オカメザクラで絵を描いたというブログを書いた翌日、母がアベノマスクを持って現れた! 桜の実をガーゼで搾ったら、きれいな液体がたくさんとれた。
Now it became liquid, I could draw with pen and ink as well as brushes.
桜の実を搾った液体にディップペンや筆を浸けて描いたもの。水で薄めると淡いピンク色になり、それもきれい!
これらを描いていたのは4月27日だったのだが、次にオカメを訪れた5月4日にはムクドリの群れがきていて、実は大方食べられてしまった。貴重な餌だったのに、ムクドリたちごめん!
その後、河津桜の実でも同じことをやってみた(5月6日)。
オカメより大きく丸い実。
でも描いてみるとずいぶんオレンジ系で、なかなか濃い色が出せなかった。ぼとぼとと落ちている実を拾ったのですでに退色していたのだろうか。
そしてオカメの搾って冷蔵庫に入れておいた液体は10日後には、同じようにオレンジ色になっていた。
We tried with another variant of sakura, Kawazu. Possibly because we used the fruits dropped on the ground, the colour was orangey and not as vivid as the time we used Okame. Above are two drawn on the same paper.  
And another one with Yoshino tree. It was really red when we first put down on paper but as it dried it soon turned brown. I wonder why.
5月22日。公園のソメイヨシノ系(実がなっているので何か別のと交配したと思われる)の桜の実は、描いた瞬間は赤かったのに乾く間にみるみる茶色くなっていった。
オカメは生りはじめの時期に木から採ったり落ちてすぐのものを拾ってきたからうまく描けて、ソメイヨシノなどは落ちてしばらくしたものだったからダメだったのか。実の生る時期と、実の成分によるものなのか。品種によるものなのか。
一度赤い色として紙に定着して乾いたものは、しばらくは退色しないようだ。
ちなみに右側はチビが塗ったもの。このところ紙一面を塗りつぶすのが流行っている。

Some more things we tried were spiderworts and dayflowers.  
Drawn with Spiderwort flowers. 
ムラサキツユクサ。淡いけれどきれいな紫色が出た。指まで紫色になり、ふと『きつねの窓』を思い出した。
Blue boaders drawn with Asiatic Dayflowers. 
ツユクサ。とてもきれいな色が出る。ただ花は摘んですぐに枯れてしまい、数時間もすると描けなくなるので、すぐに作業できないと難しいことがわかった。

28 May 2021

Eric Carle and collage

I read the sad news of Eric Carle passed away. 
I didn't read that many of his book when I was a child, just for four or five including the "The Tiny Seed," "The secret Birthday Message" and of course "The Very Hungry Caterpillar. "  

But I saw a TV program featuring him, showing his studio and how he created the artworks when I was eleven or twelve.  It inspired me a lot. 
And these are collage pieces I made imitating his media when I was thirteen, living in Bangkok.

小学校高学年か中学1年生のときに、エリックカールについてのテレビ番組を見た。 色紙を自分で作るやり方、それも一色できれいに塗るのではなくて違う色を混ぜたり、筆の後ろで引っ掻いて模様を出したりすることに感銘を受けて、ずいぶん真似した。テレビで見たアトリエには大きな平たい引き出しがあって、作った紙が色別に入れられていて、とても憧れた。もちろんそんな引き出しは持っていなかったけれど、作った紙やきれいな包装紙を色別にファイルに集めていた。
Red-whiskered Bulbuls  
中学1年の頃のコウラウンの絵 
確か住んでいたマンションの部屋の前の木にやってきた2羽だったと思う。ミミジロヒヨドリとメグロヒヨドリは常連だったが、コウラウンが来るのは珍しくてうれしくて描いた。
This is Chatuchak, the weekends market in Bangkok.
チャトゥチャック。 原画はどこかへ行ってしまって、あまり解像度のよくない画像しか見つからない。
また久しぶりにコラージュもやってみたいな。

Looking back these old images, I feel that I really lost the boldness.  I must try loosen up more...!

22 May 2021

Catch the Bubble!

近くの文庫のあおぞらおはなし会の最後に、スタッフさんが盛大にシャボン玉を飛ばしてくださった。子どもたち大喜び。 うちの子は楽しそうというより、使命感に燃えて真剣にシャボン玉をたたいていた。
Children Playings at the end of the storytelling event.
They look so happy and I just wanted to draw them.  

忙しくてこんなものを描いている場合ではないのだが、イラストレーター向けのポッドキャストをときどき聞いていると、仕事以外のパーソナルプロジェクトがいかに大切かという話が出てくる。目的なく描く、完璧に作らなくても良い、自由な絵。
こういうのを描いている時間は幸せ。

4 May 2021

Happy Children's Day!

明日はこどもの日だから、溜め込んでいたチビのスケッチをアップ。
Here are lots of drawings for the children's day tomorrow.
She got a pair of yellow wellies. Yesterday, we did a muddy forest walk wearing wellies. She loved the muds and puddles.  
She also wants an umbrella but we think it is a bit too early for her.  So she always makes her own with a big leave and a stick.  
長靴を買ってもらい、「ちょっと おおきくて でかぶく しているね」と言いつつもご満悦。「でかぶく」って、それっぽく聞こえる良い音だなあ。  
3月は石川えりこさんの『てんきのいい日はつくしとり』を図書館で借りて以来、ひたすらつくしを採っていた気がする。この本は、チビがあんまりに気に入って、延長しても返せなくなり、とうとう購入。今も何度も読んでいる。
もうずいぶん前につくしの季節は過ぎてしまったけれど、いまだにどこに行ってもスギナを目ざとく見つけ、「スギナはおかあさん」と本の中の言葉をつぶやいている。
何か採ってきたら、ちょっと前まではすべてお鍋に入れてぐちゃぐちゃかき混ぜていたけれど、最近は絵を描こうともする。
「あ、トビ! ピーヒョロロって いってないね。トビなのに」 家族連れが次々にハイドの窓をのぞきに来ては「何もいないね」と去って行く中、2歳児空飛ぶトビを自力発見! おもしろいものを見つけるスキルはどんどんあがっている気がする。
Read it to me!
この日は文庫で借りて来た『いそげ!きゅうきゅうしゃ』。乗り物絵本はやっぱり大好き。
4月はじめにいわむらかずおさんの「14ひきシリーズ」ブームが到来。1冊読み始めると、次から次へと家にある8冊を全部持ってくるのでたいへん。
そして読んでもらう時は、なぜかこの椅子に座りたがる。
She loves clams!  

26 April 2021

チビとお絵描き

Yesterday, my little one and I drew pictures with the liquid of sakura fruits. 
 The fruits have a very nice crimson colour. I wonder how long the colour stays though.
既にたくさん生っている近所のオカメザクラを実を少しとってきて、実の汁を使って絵を描いた。すぐに潰れて手が真っ赤になるので要注意だが、かなり良い色が出る。
実を手で持って、適当に描く。コントロールが効かないのがまたいい。
You can easily make bold lines by just holding the fruits and drawing.  I tried to draw thin lines using a dip pen and the fruits liquid and that was difficult. 
細い線は付けペンで。すらすら描けるきれいな液体を作れるほどにうまく絞れず、ちょっとずつしかインクが続かないので難しい。でも工夫のしがいはありそうだった。
こちらはチビ作。

わたしの机と並べたところに、ベンチ椅子を使ってチビの机&部屋もどきを作ってやったら大喜びで、いろいろなことをその机でやるようになった。草花を採ってきて、並んで机に座り、チビは自分の自由帳に、わたしはわたしのスケッチブックに描くこともできるので、少し観察スケッチがやりやすくなった。
シロツメクサ、コヒルガオ、オニタビラコ。
一緒に花を摘んでは図鑑で調べて、家に飾ってなどとやっていたら、いつのまにかチビはホトケノザ、ヒメオドリコソウ、カラスノエンドウ、キュウリグサ、ムラサキケマン、スイバ、スズメノカタビラなどなど、少なくとも20種以上は識別できて名前が言えるようになった。
これは少し前にチビと作ったカワセミ。
 Kingfisher cutout using the paper that my little one coloured. 
チビがグチャグチャ塗っていた紙がカワセミ色だったので、オレンジと黒と焦げ茶も作ってもらって切り絵。 こんな風に一緒に作れる良いアイディア、もっと探していきたい。

16 April 2021

東京都レッドリスト

東京都環境局が出した東京都レッドリスト(本土部)2020年版の表紙画を描かせていただいた。東京都環境局のホームページからweb版が見られ、今回の改訂の主な内容等が読めるほか、冊子版の送付も頼める。
 I made the cover illustration for the 2020 Red List of Threatened Species Tokyo: 23-ward and Tama area version.
This is a linocut illustration including eleven red list species from eleven taxa.
依頼してくださった方は、同じ農工大出身で、わたしの世代の野生動物研究会メンバーが立ち上げたリハビリケージプロジェクト(RCP)のケージで一度お会いしたことがある方だった。覚えてくださって声をかけてくださったなんてとてもうれしかった。
リノリウム版画なので、本番と同時に少数部摺った。さっそく一枚は額装してお嫁に!

8 April 2021

桜ワークショップ

関東はそろそろ桜が散り「みーんな はっぱに なっちゃった」という時期。 
弘明寺の子どもの本& クーベルチップさんでの原画展も、おかげさまでたくさんの方に見にきていただき無事に終了した。 
The sakura season in my area is ending now.  
On the last day of March, I did a workshop to draw sakura using the same technique as my picture book.  

photo by 子どもの本& クーベルチップ

31日には絵本と同じ技法、スパッタリングで桜を描くワークショプを行った。
桜の花の形を切り、紙に置いて、上から網とブラシでスパッタリングして白い花の形を残す。
以外と難しいのが絵の具の水加減。少なすぎると全く飛ばないし、多すぎると飛ぶ粒が大きくなり、その間につい触ってしまったところが擦れてしまったりする。
今回は2時間という短い時間だったので、やり方を雰囲気をつかんでもらう程度に
桜の花を描いてみよう、切ってみよう、並べて上からスパッタリングしてみようと自由に作っていただいた。

実際にわたしが1枚の絵を描くときには、決めた構図に合わせて、数時間〜ときに半日は延々と桜の花や花びらを切り続けている。
クーベルチップの方から、切る桜の形や並べ方のお手本が合った方がやりやすかったかもしれないという声もいただいた。
ただわたしは、やり方やよく見えるコツは教えても、実際にどう描くかの形や構図についてはこちらで決めてしまいたくないなあという気持ちが強い。
これが正しいという絵ややり方があってそれを教える先生ではなくて、あくまでお互いにクリエーターの一人という気持ちでいたい。
桜の形のお手本は桜の花そのもの。そういう意味で、桜の季節に行って、ワークショップの場にスズメが落とした花を持ち込めたのは良かったなと思う。
スパッタリングしただけだと何だか分からない白い形。でもおしべやめしべ、萼を濃い色で描くと、とたんに花らしさを出す。白を際立たせるには、周りの濃い色が重要だ。

みなさん、とっても集中して、着物の錦みたいな素敵な模様を作ってくださった。  
photo by 子どもの本& クーベルチップ
昨年できなかったイベントをこうして開催できて本当によかった。 
3月の4週目には絵本ナビの今週の今日の1冊に入れていただいたし、4月7日には、絵本講師ふわはねさんのカレンダーの今日のえほんに取り上げていただき、谷佳樹さんのShowroomのライブ配信で朗読・紹介いただいたりもした。
1年前に出た本なのにこうしてあちこちで取り上げていただけて、本当にありがたいことだなあと思う。
そしておかげさまで3刷!
4月1日から商品の値札の消費税を含んだ総額表示の義務化がはじまった。これまでほぼすべてが定価は本体価格+税と書いていた書籍系は、すでに印刷してしまったものは、スリップ上部だけでも良いらしいが、何かしら総額が見えるように差し替えなくてはならず、けっこうな大変な作業だろう。そういえばと思って、先日受けとった3刷の裏を見たら、すでにちゃんと税込表示に代わっていた!

21 March 2021

2月、3月の鳥見

Here are some of my recent field sketches.
ヒメウとウミウが同じ岩礁に止まっていた。
比べると首の太さや頭の形の違いが際立つ。 このスケッチをした直後にねむろバードランドフェスティバルでの箕輪義隆さんのオンライン講演会を拝聴していたら、ヒメウとウミウの骨格標本の写真が出て来た。骨の形からしてずいぶん違うことがわかり非常に納得した。
We picked up some seashels on a beach. 
拾った貝はあっという間にチビの鍋(お菓子の缶)の中へ入れられ、大量の実とともにぐちゃぐちゃとかき混ぜられた。
Black Kite
Woodcock
今田遊水地にオオジュリンいるかなあと期待して行ってみたけれど、見つけられず。
ここは珍しく池との間に柵がなく、チビもいちいち抱っこされなくても自分で池が見られるのは良い。
Gadwalls
Snipe
逆に金井遊水池は柵が高くて太くて、チビには全く中が見られない。電車の音を聞きつけては「みるー! だっこー!」となって、「とーかいどーせん! おどりこ!」と喜んでいた。でも鳥の種数はよほど多い気がする。やっぱり人との距離や柵の存在は、鳥にとっては安心感なんだろうか。
2月半ば、森で産卵に来たヤマアカガエルのキャラララという大合唱が聞けて、姿もよく見れた。ひと月してまた出かけたら、今度はオタマジャクシがいっぱい! 
 チビ「ちいさいオチャカマクシ とるのー!」「ここにも オタカマクシいるねえ」 なんかまくしたてていそう……。
The hide window was a bit too high for my little one and she struggled to perch there.

15 March 2021

『さくらがさくと』ができるまで

昨年は新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった横浜市南図書館でのトークイベント「『さくらがさくと』ができるまで」を日曜日にとうとう開催することができた。
I did a talk at the Yokohama City Minami Library about how I made the Sakura picturebook.  It was planned the same time last year but postponed because of the Covid.
お話したのは、桜の絵本を作りはじめたきっかけから、取材過程、編集会議を経てのラフ作り、どう絵を描くか悩んだこと、最終的な技法、製本見学のことまで。一冊の絵本がどうできあがるのかを実感していただけたなと思う。 普段あまりにせかせかと生きているせいで、ついつい早口でしゃべって時間が余ってしまったけれど、見に来てくださった方がいろいろな質問をいてくださったので、しっかり最後までいろいろお話できた。      
photo by 子どもの本& クーベルチップ
このスライドに映っているのは絵本のモデルになった木とそれが描かれた絵。でもこの木、2019年には切られてしまい、今は小さな別の木に代わっている。
聞きにいらしてくださったみなさま、企画してくださった子どもの本& クーベルチップ、南図書館のみなさま、本当にありがとうございました。
当日はお店が開いていなくて原画展が見られないので、わざわざ前もって展示だけ見に足を運んでくださっていた方、ずっと高校時代からこのブログを見続けていて今回も駆けつけてくださった方、『じょやのかね』のときからわたしの作品を気にしてくださっていた方などがいらっしゃることがわかり感激した。
トーク後に子どもの本& クーベルチップのお店に寄ったら、なんと『さくらがさくと』クッキーが! メジロに絵本そっくりの提灯に! Buttercupさんによるものだそうで、3月21日(日)まで、なくなり次第終了だそうだ。 
そして前回の投稿で書き損ねていたけれど、3月発行の有隣堂の情報誌「有隣」に横浜の桜並木や『さくらがさくと』の制作背景について寄稿させていただいた。Web版からも読める。 

今日は「3がつ なかばの げつようび」 今年もこの絵本を開いて、桜が咲いて鳥が来て、やがて散って葉が開く様子を絵本とともに観察してくれる方がいたら、とてもうれしい。

5 March 2021

大岡川の桜の絵本イベント2021

絵本『さくらがさくと』の関連イベントを今年も開催します。昨年はコロナで中止になってしまったトークイベント、ワークショップだけでなく、見に行けなかったという方も多かった原画展も展示内容を変えて行います。
The Sakura events rescheduled from last spring! Some original artworks from the Sakura picture book, diffrent ones from last year, are put up again at a bookshop in Guyoji, Yokohama.  
昨年来てくださった方にもまた楽しんでいただけるように、表紙絵は同じですが、中の4枚は違うものを飾った。
描きおろしの絵も一枚作ったのだが、初日にさっそく売れてなくなってしまったそう。作者としてはとてもうれしいけど、これから訪れる予定だったみなさまにはごめんなさい。
緊急事態宣言が延長になった関係で、14日のトークイベントの定員は20名に変更になりました。すでに何人もご予約をいただいているようなので、参加されたい方はお早めにお申し込みください。