9 September 2020

埋もれた歴史

母の著書『埋もれた歴史 幕末横浜で西洋馬術を学んだ上田藩士を追って』の題字とカバーデザインをした。 母が高祖父(わたしにとってはひいひいひいおじいちゃん)についてネットで検索をしたことをきっかけに、幕末の歴史について調べはじめ、生麦事件や佐久間象山、松平忠固等について、これまで埋もれていた歴史的なことをたくさん見つけ出して本まで書いてしまったというものだ。
I designed the cover and the title lettering for the history book, which my mum wrote.  
上田紬の地に、この伝次郎さんの写真を載せるというのは、母が当初から決めていたこと。そこに小さな活字で題が入った表紙案を見て、何だか本当に埋もれそうだと思ったので、せめて題字を描き文字にしてみた。ひらがなに入っているのは馬蹄と馬のしっぽと生糸のつもり。
翻訳者のはずの母がこんな歴史書を執筆しはじめた大元の一つは、わたしの高校の倫理の宿題だったりする。「千ページ読書」と言われた謎の名物宿題で、千ページ以上のフィクションを読み、その本に関連して二千文字以上の文章を書くというものだった。今から思えば、長編の物語には何らかの世界観があるので、その世界に通じている哲学を汲み取れというものだったのだろうか。ともかくわたしはエドワード・ラザフォード著の『ロンドン』を読み、その形式をなぞって自分の祖先の物語を書いた。 それを書くのに、祖母の兄弟をはじめ、親戚にメールやFAXを送って昔のことや祖先について聞き回り、戸籍を調べたりしてノートにまとめていた。母は、いつの間にかそのノートから発展して調べていたのだ。
ノンフィクション翻訳者の特技は、外国語を読むこととネット検索だなあとつくづく思う。
わたしも本全体はまだ読めていないのだが、この本を執筆中、母はいろいろ調べては、判明したことをこと細かに教えてくれた。それを耳半分に聞いていたわたしによく分かったのは、曾曾曾祖父はどうやら幕末期に活躍し、すでに海外に目を向けていたすごい人たちに囲まれて生きた人だったこと、それにもかかわらず、名を成すことは何一つしなかった、まさに歴史に埋もれた人らしいということだ。

7 September 2020

Ten years

Happy ten years of our friendship!  
Today marks ten years from the day I went to the UK to study children's book illustration and became friends with the lovely Spectrum crews.   This is a doodle I made based on my newly published Alison Uttley's book's characters using Adobe Illustrators.  
I thought it is appropriate to ask those animals to come on board because all my experiences in Britain were put into that project.    
And yesterday, I was learning how to draw with digital paths.  I asked my illustrator friend to teach me tips on how to create paths.  I like traditional media and will still keep creating images with them.  But it is always good to be able to use digital media.  And it's a good feeling to learn something new!  

これまで見よう見まねで、必要最低限にPhotoshopやInDesignを使っていたけれど、Illustratorでパスデータを扱うのがどうしても上手くできなかった。これからも基本はアナログ技法で描いていくつもりだけれど、ロゴや布製品の入稿にはベクターデータが必要でいつも困っていたので、以前からイラレは勉強したいと思っていた。少し仕事に余裕ができたので、昨日、友人で大活躍中のイラストレーター、オオノマユミさんにお願いして個人的に教えていただいた。オンライン個人レッスン! 覚えたてのことを使って、練習もかねて、遊びで絵を描いてみた。思った通りの線が描けるようになるにはまだまだ練習が必要だけれど、何ができるかを体系的に教えていただけたのは本当に大きい。

The three years in Cambridge still holds the position of the happiest time in my life so far.  I don't mean that I am not happy now living with my super adorable little one and a very understanding husband and closer to my family.  Of course I am! 
But that is a different kind of happiness.

Living in that beautiful place and having the freedom of doing anything I want to do on the day and being excited about everything new happening to me were something so special.    

 Not only my life had changed but also the world had changed so much since then.   Sometimes, I get scared thinking, do I ever have a month or even a week when I get up everyday so excited about the day ahead like I was in those three years?  But maybe I should be grateful that I at least had those three years.  I worry about my little one and children in her generation if they ever have a chance to study abroad like I did.    

 Three million cheers to our days of chatting over endress cups of  tea and coffee.  

2 September 2020

はりねずみともぐらのふうせんりょこう

This evening, I received the advanced copies of the book I illustrated! 
It is an anthology of three short animal stories written by Alison Uttley, which were newly translated into Japanese. 
アリソン・アトリーの3つのお話にわたしがイラストをつけた本『はりねずみともぐらのふうんせんりょこう』が数日後に福音館書店から出版される。訳は上條由美子氏だ。 まさか自分が『時の旅人』やグレイ・ラビットのシリーズなどで知られるアリソン・アトリーの挿絵を描くことになるとは!  
仕事が決まってから、アトリーの自伝的な作品だとされる『農場にくらして』を読んだ。わたしが好きな野生動物画家のC.F.タニクリフが白黒の挿絵を付けていて、アトリーの世界感をとてもぴったりと表していると感じた。だからわたしもそんな雰囲気を出してみたくて、消しゴムはんことリノリウム版画で挿絵を描いた。 Three stories are "The Doll's House," "Hedgehog and Mole Go Ballooning" and "The Mouse, the Rabbit and the Little White Hen." 留学中にイギリスの景色、生き物やイギリス人の暮らしを見た経験が活かせる仕事ができたのはとてもうれしかった。アトリーのお話は生き物の描写が細かい。植物や動物はできる限りイギリスにいる種を描こうとこだわった。  For me "the doll's house" always meant this gorgeous dolls' house my mum made for me modeling after the Rumer Goden's "The Dolls' House."
はじめの『ちいさな人形の家』はのねずみの兄妹が人形の家を見つけて入り込むお話だ。わたしにとって、『人形の家』といえば、ルーマー・ゴッデンのお話だ。何しろ、小学生の頃、母が岩波書店から出ている邦訳版の見返しにある家の中の図を元に、こんな素晴らしい人形の家を作ってくれたのだ。この人形の家のおかげで、お話の世界はぐっと身近になった。 だからおのずと、挿絵の人形の家の外観や内装も、母が作った家そっくりになってしまった。 先日、ルーマー・ゴッデンの原作はターシャ・チューダーがイラストを描いていると知り、どうしても気になって原書を手に入れた。開けてみると非常に既視感のある絵。どうやら邦訳版のイラストは、堀内誠一がこのターシャ・チューダー版を見ながら描いたようだ。今なら著作権などでちょっと問題になりそうなくらい似ている。 For the end paper of my book, I used the same pattern design I made after seeing the scenery in Lake District back in 2012.  So now my little one and I each have a skirt matching with the book!  
見返しのパターンのスカートをお揃いで着て撮影するならと風船も買った。ところがゴム風船にヘリウムは簡単に入れることができず、空に浮かないのでよい写真が撮れずに苦戦して終わってしまった。でもアトリーの時代に、そんな田舎のおばあさんが売っている風船にヘリウムが入ってたとも考えにくいから、風船は風にたなびいている程度だったのだろうか。ハリネズミの針どころか、草などに触れると、「すぐに、パーンといってしまう」ので、お話の世界を現実にするのはやっぱり難しい。

30 August 2020

8月の自然観察

相変わらずあまり外でスケッチはできていないけれど、8月の自然観察から数枚をアップ。
ミソハギ(purple loosestrife)
盆花らしい。
My little one climbed up to my lap when I was sketching moorhen family. So I had no choise but hand her a pencil and let her use the left hand page of the sketchbook.  So every sketchbook spread became like this...
8月半ば過ぎ、生後数日のバンのヒナがいた。
コウホネ(East Asian yellow water-lily)
けっこう苦労して、チビの夕飯やお風呂の時間調整をしつつ、近くの遊水池にツバメのねぐら入りを見に行ったのに、今年は7月後半にねぐらがどこかへ移動してしまったらしく、わたしたちが出かけたところには集まってくれなかった。何羽ものツバメが同じ方向へ消えていったので、きっとそちらにあるのだろう。余裕があったら、どこへ移動したか探してみたかったけれど叶わず。
薄暗くなる中、アオサギの羽づくろいを観察。うまくは描けなかったけれど、一番上は足で首を掻いているポーズ。
ねぐら入りの変わりに、こんなピンク色のお月様が見られた。
One evening we looked for a cicada larva and brought back home to watch it emerges.  Something to enjoy in summer at home!
ヌスビトハギ 
小さな小さな花が終わりかけて、小さな盗人の足跡形のひっつき虫ができはじめていた。 花は小さすぎて描くのが難しい。
梨園の手伝いをされている知人から、箱いっぱいの梨をいただいた。たーくさんいただいたのに、気付いたときにはみんなお腹の中に入っていて、あわててひとつもなくなる前に絵を描いた。船橋の梨、やっぱりおいしいなあ!

15 August 2020

Footprints

2歳の誕生日記念に、これまで毎月記録していたチビの足跡を使ってポスターを作った。



I made a big poster of my little one's footsteps. Each footprint was taken every month since she was born. See how big they became!



スタンプパッドで足裏にインクを塗って、適当に押しているので、必ずしもつま先から踵まできれいに押せているとは限らないけれど、それも毎回の苦労を物語っていてよい気がする。ひと月ごとの差はあまりないように感じるのだけれど、並べてみるとどんどん大きくなっているのが目に見えてわかる。



You can see lots of wrinkle when she was a baby but then become quite flat.



ポスターなので線画くっきりしていたほうが良いなあと思い、思い切って普段あまり使わない0.1の油性ペンを取り出し、一発勝負と思ってさらりと描いてみた。

 

11 August 2020

Second Birthday

My little one became two.  
We celebrated her birthday with three grandmas.
  


My cousin baked a chiffon cake for her and my mum decorated it with greek style yogurt and fruits.  It looked very nice and tasted perfect!  
We wanted her to blow the candles but since all of us were staring at her, she froze in front of the cake.  Would she be able to do it next year? we roughed.  




 おばあちゃんに絵本を読んでもらう。



赤ちゃんの頃の写真を、テレビに映してみんなで眺めた。大きくなったなあ。



She was so spoiled and got lots of toys from my aunt, my mum, my grandma and a picture book from her dad.  Well, all these descriptions reveal how useless her mummy was in all this birthday celebration...



大股開きで真剣に井桁ブロックをつなげる。


伯母がくれたおもちゃに、開けた瞬間から夢中で、あまりに集中して遊んでいるので、ずいぶんスケッチができた。

28 July 2020

イヤイヤ期

It seems that my little one entered the terrible two stage.
Everything has to be done in her pace as she likes otherwise she just says no! no! no!




6月半ばくらいから、チビが突然、すごい癇癪を起こすようになった。疲れていたり、お腹がすいていたりするときに、何かちょっと気に入らないこと—髪ゴムを自分でとりたかったのに、わたしがとってしまったとか— があると、怒って泣いて、1時間くらい転げているのだ。どうやら恐怖のイヤイヤ期突入らしい。



She throughs such a big tantrum and when it starts nothing can calm her down.  So every time it starts, we had to shut all the windows, put the air conditioner and wait quietly just watching and being beside her.
I tried to be very careful not to bring her to that stage, which was very tiring.  I was pretty stressed thinking how long does this stage last?

But after a fortnight or so, she's gradually getting over that huge tantrum stage. Thanks goodness! 



Peeling the corn with her great grandma.  
従姉妹家からのお裾分けでもらったトウモロコシの皮をひいばあとむく。 蒸して食べたら甘いこと甘いこと。でもチビは食べづらいらしくあまり好きではなかったよう。 わたしはチビが食べないなら全部食べちゃうぞーっと密かに思っていたのだが、ひいばあとしては、チビが食べないのは嫌だったらしく、玉ねぎと炒めてブレンダーをかけておいしいスープにしてくれた。チビ、大喜びでおかわり。



母とわたしの仕事が一段落ついた打ち上げも兼ねて、7月4日に七夕ごはん。
A small party at home with my family.  My husband decorated the Somen noodle dish with star shaped cucumbers and so on but the little one dug in to it straight away. Well, that's one-year-old kid for you!



Little one in the turquoise blue dress made by my dearest friend.
いきなり爆発して1時間も泣くステージは、ありがたいことに、どうやら2、3週間くらいで乗り越えたようだ。子どもは本当にどんどん大きくなる。こちらが解決策を模索しているうちに子どものほうが成長するような気もする。

でも何か聞いて返ってくる答えの8割が「ヤヤ」で、何でも自分のペースでやりたいのは相変わらず。朝起きたら、寝室の扉を自分で開けたいので、わたしがどんなにトイレに行きたくても、説得して開けてもらわないといけない。車に乗るには駐車場でアスファルトのカケラを拾ってからが良いので、一緒に良いものを見つけてあげなくてはだめ。階段は自分で登りたいので、わたしが抱っこしたまま登ってしまったら、下まで降りてやり直し。こういうのにずっと付き合うと本当に嫌になる。

週に2日、一時保育に預ける日は、たとえ仕事で忙しくても、何時間も自分のペースで動けるので羽を伸ばした気分になれる。好きな時にコーヒーが飲めるとか、植木に水をやるのがたった2分間で終わるとか、そんな事ですらうれしい。
丸一日子どもと二人だけということはまずないわたしですら疲れると感じるのだから、一人で子育てしている人の負担を考えると本当に恐ろしい。



一歳違いのはとこに会った。大きな子で、なんと身長も体重もほぼ同じくらい! でもほぼ1歳とほぼ2歳の違いは大きいなあ。

26 July 2020

久しぶりの鳥見

The combination of the Cornavirus situation and the rain season and having the little one, doesn't make it any easier to go birdwatching, let alone sketching in the field. But during this special long weekend supposedly for the Olympic, we visited Tokyo Port Wild Bird Park for a few hours and I managed to sketch some birds with a telescope. I made only those three acceptable sketches but it felt like such an achievement.  



Little Grebe Family.  
少し前まで、赤ちゃんがいるといっても、とりあえずチビを着替えさせて、抱き上げて車に乗せ、目的地についたらベビーカーか抱っこひもに乗せ、ご飯の時間だけ気にしていれば、それなりに鳥を見に行くことができた。鳥が出たら、チビを夫に預けておけば、絵も描けた。
でも今は、こちらが無理矢理何かをやらせようと思うと大抵何一つうまくいかない。着替えさせて、玄関から出る気にさせるまでも一苦労。目的地についたら、自分で歩きたいけれど、こっちの石ころ、そっちの猫じゃらし、あっちのシロツメクサに寄り道をして、鳥がいそうなところに辿り着いた頃には、「だー(抱っこ)」。それもパパではダメ!
スケッチどころか、わたしは双眼鏡ですら見られないという状況に。

久しぶりに東京港野鳥公園に出かけ、鳥の看板や干潟ウォークのカニで夫がうまくチビと遊んでくれている間に、ちょっとだけ望遠鏡でスケッチができた。



The autumn migration is starting and we spotted some Grey-tailed Tattlers.  



コロナ禍に梅雨に蚊のいる季節という組み合わせは、行けるところの制限が多くて悩ましい。東京港野鳥公園のセンター内も飲食禁止になったので、外でピクニックランチをしたけれど、食べ終わるか終わらないかというという時に、すごい雨が降ってきた。それでも逃げ込める施設が開いているのはありがたかった。

15 July 2020

発泡樹脂板を試す

Now I finished two of the illustration works, I went back to my bird story projects that I've been working on for some years.  
When the story board is almost set, the next thing I do is to find the media to illustrate it.  I do not like to decide on a certain technique or media as my style to tackle all kinds of stories. Because I think each story has its own taste that matches a certain technique.



カラスウリ
This type of gourd flowers at night. 
When I tried carving a new material made of plastic, I realised that the block is very good to draw thin lines in white.  So I had to print this magical flower with it.  
新しい絵本を作るとき、そのお話で見せたい部分や色、描くのに必要な色の数などで、絵の技法を考える。版画の版をいろいろ試しているうちに、カラーKボードやSP板などという、学校教材に使うらしい、発泡樹脂でできた画材を見つけた。
本の絵は、結局はそれでないもので作ることに決めたのだが、この板は細い線を彫刻等を使わずにニードルで引っ掻くだけで彫れることがわかり、どうしてもカラスウリの花を描いてみたくなった。



これも同じ発泡樹脂の板を試す過程で作ったもの。髪の毛のように、大きな色の塊の中に、細い線を彫って絵を描く部分はうまくいくけれど、顔のように細い線を残す部分を作るのが難しい版だった。



I am also doing some field research on another project.  I was looking at plants in ponds and in one of them, I found this ducklings.  
チビ連れで出かけてフィールドスケッチするのがとても難しくなってきた。
夫と遊んでくれている数分間にちょっとだけ描いたカルガモ。カルガモの成鳥のお腹ってこんなにオレンジ色だっけと思うような個体だった。多少、何か混じっているんだろうか。



少し前にマンションにいたキマダラコウモリガ。